古典落語の中でも特に人気の高い廓噺(くるわばなし)
廓噺とは遊郭を扱った落語の事を言いますが、その昔、戦時中の1941年、時局柄にふさわしくないと廓噺や間男を扱った演目など53演目が自粛対象となり、禁演落語として上演を禁じられていた時期がありました。
もちろん今は禁止はされていませんので、寄席でも独演会でも聞く事が出来ます。
落語初心者の方にも分かりやすく聞きやすい廓噺を3席ご紹介致しますので、気になる演目があれば是非CDやDVDで楽しんで頂きたいです。
廓噺「明烏 あけがらす」古典落語
古典落語の中でも私が最も好きで、一番聞いているであろう演目がこの「明烏」です。
八代目桂文楽さんが十八番としていた演目としても有名ですが、私は現代の噺家さんの「明烏」も抜群の面白さだと思っています。
個人的には、現代の噺家さん(おすすめは三遊亭兼好さん)から聞いてみて噺が分かってから、かつての名人の音源を聞いた方が分かりやすいと思うんですよね(こんな事を言うと落語を教えてくれた先輩おじいちゃん達に怒られそうですが)
でも「明烏」は落語を初めて聞くという方にもオススメなのは本当ですよ。
大人の世界を何も知らないお坊ちゃまが、いざ大人の世界に足を踏み入れるとどうなるのか?始まりからサゲ(落ち)まで本当に見事な名作です。
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廓噺「お見立て」古典落語
廓噺の中でも人気の演目「お見立て」は吉原遊郭が舞台。
「張り見世」という遊女達が格子窓から、通りに向かって姿を見せて客を呼ぶ当時の吉原遊郭でのシステムを説明するところからこの噺は始まります。
その張り見世で客は花魁を吟味し相手を選ぶのです。そしてその時に若い衆が客に向かって言っていたのが「お見立て願います」という言葉。
これがサゲ(落ち)にも見事に掛かっていて見事なんですよね。
「明烏」とは正反対の花魁のストーリーを是非楽しんで下さい。
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廓噺「三枚起請 さんまいきしょう」古典落語
こちらの演目は2005年に放送された落語を題材にしたドラマ「タイガー&ドラゴン」のスペシャルでも取り上げられた演目なので聞いた事がある方も多いのではないかと思います。
しかしあのドラマは名作でした。。あのドラマのおかげで落語がほんと身近なものになったような気がしますもん。
「タイガー&ドラゴン」を見た事ない方は絶対見た方がいいです。落語を知らない人でも楽しめるように作られてますから。さすがクドカン!
「タイガー&ドラゴン」をもっと知りたいという方はこちらの記事をご覧下さい。
さて演目の三枚起請ですが、こちらは元々は上方落語の難波新地のお茶屋が舞台の噺だったそうですが、東京に持ち込まれた時に吉原遊郭を舞台とした噺に変わったようですね。
ちょっとサゲ(落ち)が難しいかなとも思ったのですが、サゲの意味を考えるのも落語の楽しさだと思っているので三枚起請を入れてみました。
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おわりに
落語の楽しさは聞いて想像する事だと私は思っています。
寄席に行って噺家さんのしぐさを見て、噺を聞いて想像する。ビートたけしさんがボケ防止に落語やってるなんて話してましたが、、あながち間違いではないのかな?とも思うんですよ。
噺家さんてみなさん元気ですからね。
最後に、あらすじの中にサゲを書いてないものが多くあるのですが、それは私に落語を教えてくれたおじい様達から、落語は聞いて想像して考えろという事を口酸っぱく言われていたからなのです。
解釈は人それぞれ。噺家さんでも人それぞれ解釈は違いますから演じ方も違うのです。
サゲの意味を書いてしまうと落語の一番の楽しみが無くなってしまう。中にはサゲや解説まで書く事はありますが、思いとしては実際に寄席で聞いたり、CDやDVDで聞いてもらいたいというのが本音。
サゲが知りたいのであれば今の時代調べればすぐ出てきますが、おじい様達の言葉を代弁させて頂くと「そんな野暮な事はするなよ」
落語の楽しさは聞く事。答えだけ見ても面白くないですからね。
古典落語あらすじ検索 難しい落語にはサゲ(落ち)、解説を入れています
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