本日、ご紹介する古典落語は「長短」です。
登場人物が二人だけというシンプルな設定のお噺ですが、その二人の性格が真逆な事で馬鹿馬鹿しくも面白い演目になっています。この全く違った性格の二人をどう演じ分けるのかが噺家の腕の見せ所であり、この噺を寄席で初めて見た時にこの噺の人気の秘密が分かったという、思い出深い一席です。
古典落語 長短
この物語の登場人物は、せっかちで気が短くて短気の短七とのんびり屋で気が長い長七。
なにもかもが正反対の二人だが、この二人は親友なのである。
今日も、短七の家に長七が遊びに来た。
あらすじ
うろうろ・・・うろうろ・・・
「よいしょ、、よいしょ、、、こんちわ~短さん。遊びに来たよ~」
「なに玄関でうろうろしてやがる、さっさと入れよ」
「いや~今日も天気がいいね~」
「なに呑気な事言ってやがる。茶が入ったぞ。早く飲め、冷めるぞ!ほら菓子もあるぞ、早く食え!腐るぞ!」
「ははは~。そんなすぐ腐らないよぉ~。ほんと短さんは面白いなぁ~」
「たくのんびりしやがって。。ほら煙草に火が付いたぞ。ほら吸え吸え」
長七は貰った煙草で一服。プカ~。プカ~。ゆらゆら揺れる煙を眺めながらプカ~。プカ~。
「なにのんびりだらだら吸ってやがる!煙草なんてもんはな、こうやってスパスパ吸ってポンと灰を落とすんだ。もう一回見てな、スパスパ、ポン。」
調子に乗って何度も繰り返す短七。短さんは気が付いていなかったが、この時、火種が袖の中にすぽっと入ってしまっていた。長七は恐る恐る。。。
「短さん、、、あのさぁ、、、まぁいいや」
「なんだよ。言いかけてやめるなよ」
「短さん怒るから言わない」
「気になるだろ。お前とは小さい頃からの付き合いだ。怒らないから言ってみろよ」
「本当に怒らない??じゃぁ言うけど、、、、さっき短さんが火を落とした時、火種が袖口に入ったんだ。大丈夫かなぁ~と思ってたんだけど、煙が出て来てるから早く消さないと危ないよ~」
「馬鹿野郎!なんでもっと早く言わねえんだよ。焦げちまったじゃねぇか!!!」
「ほら。やっぱり怒られた。。。だから言わなければ良かった」
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