本日、ご紹介する古典落語は「宗論」
江戸時代の川柳に『宗論はどっちが勝っても釈迦の恥』という言葉があります。
仏教の教えは全てお釈迦様が発しているのだから、宗派の争いはお釈迦様の恥になるという言葉ですね。宗派間の争いがいかに愚かだという事を言っている訳ですが、今回のお噺は仏教とキリスト教のお噺。古典落語ならではの面白い噺になっております。
また、サゲ(落ち)も自由度が高く演者によって様々なアプローチがありますので、色々聞いてみるとまた違った面白さがあるのも魅力の演目です。
古典落語 宗論
とある大家の若旦那。酒、女、博打などは一切やらないまさに堅物な男。こんな息子なら旦那も安心だと誰もが思うとこではあるのだが、旦那には一つ悩みがあった・・・・
というのも旦那の家は代々、浄土真宗の信徒であり、旦那自身も浄土真宗の熱心な信徒であるのだが、若旦那はというとキリスト教の信者になってしまったというのである。
あらすじ
「お父様、ただいま帰りました」
「随分と遅かったな。どこへ行ってたんだ?」
「教会でミサがありましたので、ありがたいお話を聞いてまいりました」
「まったく、お前という奴は、、、うちには真宗という有難いお宗旨があるってのに、何故お前は手も合わせないんだ」
「お父様、あれはただの偶像です。あなた方は偶像を崇拝しているあわれな子羊なんです」
「子羊だぁ。。。何を言ってやがる!!!!」
長々と宗論は続き、お互いに一歩も引かない。そして興奮した旦那が息子の頭を殴ってしまった。
「お父様。殴りましたね。キリストの教えでは、右を殴られたら左を出せと教わっております。さぁこちらも殴りなさい」
「なんだと!よしこれでもか!」
さぁ壮絶な親子喧嘩が始まってしまった。これを見ていた使用人の権助。さすがにこれは大変と止めに入った。。。宗論は勝っても負けてもお釈迦様の恥でございますよ・・・・
「権助。お前の言う通りだ。しかし、お前にそんな教養があったとはな。お前も真宗なんだろう?」
「いえ、おいらは仙台なんで、奥州でございます」
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