名作 古典落語「粗忽の釘」落語 あらすじ 解説

本日、ご紹介する古典落語は「粗忽の釘」

落語では粗忽者(そこつもの)という言葉は良く出てくるのですが、この粗忽者、意味はというと、そそっかしい人、おっちょこちょいな人の事をいいます。

古典落語で粗忽者といったら大抵、馬鹿馬鹿しい楽しいお噺ですので難しく考えずに気軽に聞いて欲しいと思います。

古典落語「粗忽の釘」は物語のサゲ(落ち)にふれています。ご覧の際はご注意下さいませ

古典落語 粗忽の釘

「粗忽の釘」は上方落語の演目「宿替え」が東京で演じられる時に「粗忽の釘」という演題で演じられている古典落語になります。

全てを演じると長尺物の演目という事もあり、途中まで演じるというのが主流となっています。

ここでのあらすじも、よく演じられている風に途中のサゲで終わっていますが、噺家によってサゲ方に違いがありますので是非、色々な音源でお楽しみ頂きたい演目です。

あらすじ

今日は引越し。夫婦は引越しの準備に追われている。女房が大八車に乗せると言ってるのに、亭主は箪笥(たんす)は背負って行くといってきかない。

頑固な上に、粗忽者。言い出したら聞かないのは女房も分かっている。結局、亭主は箪笥を背負って出て行くのだが、仰向けに倒れて起き上がれなくなったり、前に倒れて箪笥の下敷きになったり失敗ばかりしている。

後に出たはずの女房は新居で亭主の帰りを待っている始末。

女房が引越しを終える頃、ようやく亭主のお帰りとなった。帰ってくるなり、ここまでのいきさつを立ち話する亭主。

「箪笥は重いなぁ。肩がいてぇや。まだ背負ってるみてぇだ」

「そりゃ重いでしょうよ。まだ背負ってるもの」

「馬鹿野郎。早く言いやがれ。あぁ肩いてぇ」

「それよりお前さん。箒(ほうき)をかける所がないんだよ。柱にでも釘を打っておくれよ」

帰って来たばっかりだっていうのに用を頼まれて腹を立てる亭主。ぶつぶつ言いながら釘を打つのだが、あろうことか壁に瓦釘(かわらくぎ)を打ち込んでしまった。

あんなに長い釘を打ったら、お隣に突き出てしまってると怒る女房。亭主はしぶしぶ謝りに出かける事に。

「すいません。引っ越してきた者ですが、壁に瓦釘(約24センチ)を打ち込んでしまいまして、こちらに出ていないかと」

「大丈夫ですよ。うちは向かいだから」

いくら長い釘でも、向いの家までは届かない。女房にもう少し落ち着いてくれと怒られ、今度こそはと隣の家に向かった。

しかし、今度は落ち着きすぎて居間に上がり込んで長話。困った相手が用を訪ねるとようやく釘の話を打ち明けた。

こりゃ大変だと、隣家の主人が壁を見てみると、釘が仏壇をぶち抜き阿弥陀様の頭から釘先が出てるではないか。

「あんたこれを見なさいよ。これは酷いじゃないか。困ったなぁ」

「あら、こんな所に出て、、、お互い困りましたなぁ」

「なんであんたが困るんだよ」

「だって明日から、ここまで箒をかけにこなきゃいけねぇ」

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