本日、ご紹介する古典落語は愛宕山(あたごやま)でございます。
春にピッタリのお噺なので、ご紹介しようしようと思っていましたが、この噺は特に目で見て耳で聞いてこその演目でもあるので迷っていたのですが、寄席などに通うきっかけになればと今回ご紹介させて頂きます。
古典落語 愛宕山
愛宕山(あたごやま)は上方落語の演目です。
東京でも演じられる事もありますがアプローチが違う為、違う噺のように聞こえる面白い演目でもあります。
また、非常に噺家さんのアクションが豊富な為、それが楽しみで愛宕山が好きって方も多いのではないでしょうか?実際この演目を得意としていた、2代目桂枝雀さんは汗ダラダラの熱演でこの演目を演じていたそうです。
あらすじ
大阪で仕事を失敗し、京都祇園で働く一八(いっぱち)と茂八。
ある日、旦那から天気も良いしピクニックでもいこうやと誘われて、舞妓(まいこ)や女将さん達を引き連れて出かける事になった。どうやら愛宕山に登るらしい。。
道中から一行はどんちゃん騒ぎ、大阪には山が無いから登れるのか?なんて旦那にからかわれ、大阪にだって山はあると反論する一八と茂八だが、あんなもの山じゃねぇと一蹴される。
いざ愛宕山に到着したら、一八がこんな低い山見た事ねぇなんて見栄をはったもんだから、弁当などの荷物を全部二人で持って登る事になった。
最初は歌を歌いながらノリノリで登っていた二人だったが、途中でバテバテ・・・片方が荷物を持ち、片方がけつを押す、、大阪をしくじるんじゃなかったなぁ、、なんてぼやきながら、どうにかこうにか茶店まで辿り着いた。
旦那は、全員揃ったのをみるとかわらけ投げをやるぞと言い出した。
かわらけ投げとは
土器投げとも言われ、厄除けなどの願いを込め高い場所から素焼きの皿などを投げる願掛けの遊び
「天人の舞」「お染久松比翼投げ」など多彩な技を繰り出し谷の的に的中させる旦那をよそに、全く当たらない一八。あげくに大阪の者はこんなしょうもないもの投げませんわ、大阪の人間は小判を投げるなんて言い出す始末。
すると旦那。懐から小判を20枚取り出して谷底の的へ全て投げてしまった。
「旦那、あの谷底の小判はどうなりますんや」
放ったんだから拾った人のもんだなんて旦那が言うもんだから、どうしても欲しくなってしまった一八。
もちろん手は届かない、回って行くにも熊が出て危険だという、、すると茶店に大きな傘があるのを見つけ、これをさして飛び降りれば谷底まで行けると、やってみるが怖くて踏ん切りがつかない。
これを見た旦那が茂八に後ろから押せと命じ、茂八に押され一八は谷底へなんとか降りる事が出来た。
「その小判は全部お前にやるぞ」
喜び20枚の小判を拾い集めた一八だったが、ここでどう戻るかを考えて無かった事に気が付く。あれこれ考え一つの案を閃いた一八。自分の長襦袢を裂いて繋げて一本の縄にしたのだ。その先端に石をくくりつけて崖の斜面の竹へ投げ縄を巻き付け、竹の反動を利用してジャンプ、するとぴーゅと旦那の元へと着地した。
「旦那、ただいま戻りやした」
「おぉ、よく上がってきたな。で、小判は?」
「あぁ、、、忘れてきた」
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