名作 古典落語「お見立て」あらすじ

落語の演目のジャンルに廓噺(くるわばなし)と呼ばれるものがあります。簡単に言うと遊郭を扱った演目です。(大人向けの演目ですのでご注意下さいね)以前好きな演目として「明烏」をご紹介したのですが、今回は廓噺の第二弾といきましょう!

明烏と並んで人気の演目「お見立て」明烏、お見立てを知ると、この先ご紹介する廓噺もより面白くなっていきますので、是非聞いて下さいね。

名作 古典落語「明烏」あらすじ

2016.10.30

古典落語 お見立て

「見立て」という言葉は聞いた事ある方も多いでしょう。例えば、ある物を表現する時に、それをそのまま使うのではなく、別のもので表現するなんて時もその物に見立ててなんて使ったりしますね。

また自分の目で見てから選ぶなんて時も見立てという言葉を使ったそうです。

落語では、扇子や手拭いを色々なものに見立てて演じますよね。見立てという言葉は意外にも色んなところで使われています。

今回の演目「お見立て」では、遊郭でお客が自分の相手をする遊女を選ぶ見立てから題名が「お見立て」となっているのですが、別題として「墓違い」という演目で演じられる事もあるようです。

「お見立て」と「墓違い」全く共通点のないような題名ですが、一体どんな噺なのでしょうか。

あらすじ

田舎者の杢兵衛(もくべえ)吉原遊郭の花魁(おいらん)の喜瀬川に惚れ込み、しばしば妓楼(ぎろう)に通っていた。嫌われているとも知らずに。。

ある夜のこと、杢兵衛の事が嫌いで顔も見るのも苦痛な喜瀬川は会いに来た杢兵衛に対し、若い衆の喜助に頼んで仮病を使い追い返すよう頼むのです。
しかし杢兵衛は病気なら見舞いに行くから病院はどこだ?と引き下がらない。

花魁部屋でその事を告げた喜助に、喜瀬川は面倒だから死んでしまったと言ってしまいなさい。と言う。

喜助は杢兵衛に、旦那がしばらく顔を見せないもんだから、やせ細り恋焦がれ先日死んでしまったと。白々しい言い草だが、杢兵衛は死んでしまったのならしょうがない。帰るとしよう。ただ、一度帰るとまたしばらく来れないから墓参りして行くから場所はどこだと言う。

とっさの事で、喜助は山谷ですと答えてしまう。(山谷は吉原から歩いて行けるほど近所である)
これを聞いた喜瀬川は、あんた馬鹿だねぇ〜九州だの北海道だの言えばいいのに、そんな近所を言うなんて。。しょうがないから山谷に行って適当なお墓を喜瀬川の墓だって言えばいいさ。

喜助に案内され寺に着いた杢兵衛は寺番から大量の線香と花を購入する。

そして喜助にこの墓が喜瀬川の墓になります。と言われ、花を添え線香を焚き手を合わせるのだが・・・

「うん?墓石の戒名は、養空食傷信士(よくくうしょくしょうしんじ)。。。別の墓じゃねぇか!」

「すいません、こちらです。」

「こりゃ子供の墓だろう。一体どの墓なんでぇ!」

「ずらりとございますんで、どれでも好きなのをお見立て願います」

最後に

落語の演目の中でも廓話は名作が多く人気がありますね。お見立ても言葉の意味とサゲ(落ち)が見事な演目です。
演じる噺家さんによって途中のくだりも様々なバリエーションがありますので、今日はどの咄家さんをお見立てしようかな?なんてのもいいかもしれませんね。

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