名作 古典落語「巌流島 (岸柳島)」落語 あらすじ

本日は古典落語のご紹介。

演目名は「巌流島」別題で「岸柳島」とも言います。

「巌流島」と言うと小次郎と武蔵を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?私はアントニオ猪木さんを真っ先に思い浮かべましたけどね(笑)

でも実際、演目名の「巌流島」は小次郎と武蔵の決闘でお馴染みの巌流島からきているのです。

実際聞いて、何故「巌流島」という演目名になったのか?また何故「岸柳島」ともいうのか?その辺も考えながら聞くと落語の面白さがより分かると思いますよ。

古典落語 巌流島(岸柳島)

江戸時代は橋の数が少なかったと言われています。何故かというと防備の為だそうです。その為、至る所に舟の渡し場が存在したのです。
浅草の厩橋(うまやばし)の船着き場。一艘の渡し船が出ようとした時、歳のころは三十二、三の武士が乗り込んできた。

渡し船が出発し、しばらくすると侍は高価そうなキセルを取り出すと、プカプカと煙草を吸いだした。

ところが、何気なしに船縁にキセルをポンと打ち付けた時にキセルが折れて雁首が川の中に沈んでしまったのだ。

あらすじ

「おい!船頭!拙者、キセルの雁首を落とした。探すから舟を止めろ」

流石に、舟はもうだいぶ進んでしまっているし、川幅が広くて深い、雁首のような小さいものは探しようがないと言うと侍も納得したのか、それ以上は何も言わず引き下がった。

そのやりとりを近くで見ていたのが、屑屋(くずや)。商売っ気が出たのか、不要になった吸い口を買い上げたいと切り出した。

侍はこれに激怒する。右手に残ったキセルで屑屋の頭を殴りつけた。

「貴様の雁首とキセルの雁首を取り換えてやる。首を出せ」侍の怒りは収まらない。

乗り合わせた連中も、怖くて何も出来ない。

そんな中、家来を連れた年寄りの侍が進み出てきた。
『お腹立ちはごもっともでござるが、取るに足らぬ町人をお手討ちになったところで貴公の恥、手前になりかわってお詫びをいたす。ご勘弁を』

しかし侍はますます激昂し、ついには老武士に決闘を挑んだのだ。

老武士はしかたがないと勝負を受けたが、他の者に迷惑がかからないように向こう岸で勝負しようと持ち掛けた。

舟が桟橋に着くと真っ先に侍が跳び上がった。

しかし老武士は舟から降りない。老武士は持っていた槍の石突きで桟橋をドーン。舟は岸から離れてしまった。

「きたねぇぞ!老いぼれ!」

侍は着物を脱いで刀を背負うと、水に飛び込んで追っかけた。

老武士が槍を構えた前に顔を出した侍は一言・・・・・「さっきの雁首を探しに来た」

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