名作 古典落語「王子の狐」落語 あらすじ

落語には動物が出てくる噺は数多くありますが、今回は「きつね」が主人公のお噺。

狐が出てくる落語は意外と多いんですよね。おそらく狸や狐は人を化かす動物と考えられていた事も多くの作品を生む理由だったのかなという気がします。

しかしこの「王子の狐」は人を化かす狐の物語ではなく、人に化かされる狐を描いた作品になっています。

人に化かされる狐の物語。是非お楽しみ下さい。

狐ではなく狸の噺はこちらからどうぞ

名作 古典落語「権兵衛狸」落語 あらすじ

2017.05.03

古典落語 王子の狐

江戸時代では、町のいたるところにお稲荷さんがあって信仰する人も多かったと言われています。

そしてその人達にとっては狐は稲荷の使い姫。大切にしていたんだそうです。

あらすじ

王子稲荷に参詣した男が、帰り道に美女に化ける狐を見かける。どうやら美女に化けて人を化かすつもりだな。

よしここは化かされた振りでもしてやるかと、大胆にも狐に声を掛けた。

「おい玉ちゃん」

『あらまぁ兄さん』

せっかく逢ったのだから、食事でもしながら話でもしようと扇屋という料理屋に誘うとお供するとのってきた。

酒を二、三本と料理を頼んで、差しつ差されつやっていると狐はすっかりいい気分になったようで、眠くなったと言い出し、そのうちに横になって寝込んでしまった。

男は、起こさないようにそっと階下に降り、連れが飲み過ぎてちょっと寝てしまった。勘定は連れに紙入れを預けてあるから、起きたらもらっとくれと言い残しちゃっかり土産も作ってもらい店を出た。

女中に起こされた狐は、男が三人前のお土産を持ち勘定を押し付けて帰ったと知ってびっくりした。

驚きのあまり、耳が立ち口が耳元までさけ、太い尻尾がニューッと出る始末。

女中の悲鳴で事情を知った若い衆が、狐を捕まえようと必死で追い回すのだが、狐は開いていた窓から飛び出し逃げられてしまう。

帰って来た旦那に若い衆は事情を説明するのだが。

「ここは王子だぞ。うちの店がやっていけているのもお稲荷様のおかげ。そのお使い姫のお狐様がわざわざ来てくださったのに、追いかけまわすとは何事だ」とご立腹。

店の連中は真っ青になってしまった。。。

一方、タダ酒を飲み土産までせしめた男は、俺は狐を騙してやったぞと仲間に自慢していた。

すると「狐は執念深いぞ。お前一家そろって取り殺されるぞ」と仲間に脅されて、男は狐に詫びを入れる事にした。

翌日、手土産を持って詫びに訪れると子狐がいたので、しっかり謝って土産を渡した。

「おっかちゃん、今、人間がきて、謝りながらこれを置いていった。美味しそうな牡丹餅だよ。食べていいの?」

「いけないよ。馬の糞かもしれない」

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