本日、ご紹介する古典落語は「短命」
タイトルから不吉な噺と思いそうですが、どちらかというと面白い大人向けのお噺です。
「美人薄命」なんて言葉もありますが、美人に生まれても幸せな事ばかりではないようです。。
古典落語 短命
東京落語、上方落語共に広く演じられている古典落語「短命」
縁起を担ぎ演題を「長命」にする噺家さんもいます。
落語家によって色々な演出、夫婦の噺という事で身内ネタなど、聞いてて非常に面白い演目ですので、是非色々な「短命」に出会って下さい。
あらすじ
「これから、伊勢屋の葬式に行くんですよ。また旦那が死んでね。これで三度目ですよ」
八五郎は走ってくるなり横町のご隠居にそう伝えた。
びっくりしたご隠居は詳しく聞いてみると。伊勢屋には美人の娘がいて、店の跡取りに婿を取っていたそう。
しかし、しばらくすると婿はだんだんと身体が弱り、ついには死んでしまう。仕方なく次の婿を取ったのだが、その婿も身体を悪くして死んでしまう。。
そして今回、三人目の婿も同じようにして死んでしまったのだという。
しかし、店は番頭に任せているので、忙しいという訳ではない。夫婦の仲もいい。それなのにこうも不幸が続くものだろうか。
「そりゃ、女房が美人で若いというんだから短命だよ。寝すぎだな」
「寝すぎ?寝すぎだと身体がなまるわなぁ」
「いや、その寝るとは違う。分からんかなぁ『何よりもそばが毒だと医者が言い』って川柳もあるじゃないか。いいか、飯を食うにも若い美人な女房と向かい合うんだぞ、飯をよそってもらって茶碗を受け取れば手が触れる。白魚を五本並べたような綺麗な指だ。
顔を見ればふるいつきたくなるような美人。八五郎、お前はここで飯を食うかい???なぁ短命だろう」
ここまで説明されてようやく理解した八五郎。ご隠居に礼を言って弔いに行く支度をしに自宅に戻るのだが、戻ってくるなり女房に怒鳴られる始末。
「伊勢屋の婿とは偉い違いだなぁ」
昼飯でも食べようと思った時にご隠居の話を思い出し、飯を盛ってくれ、よしその茶碗をこっちに手渡してみろ。うんうん、確かに手が触れるな。隠居の言う通りだ。それで顔を見上げると。。。
「あぁ。俺は長命だ」
大好きな柳家喬太郎さんの師匠、さん喬師匠。おすすめです!
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