先日は、男と女の騙し合いをテーマにしたお噺をご紹介しましたが、本日は騙す動物のお噺です。
騙す動物としてまず思いつくのは「狸」や「狐」ですよね。
「狐」が登場するお噺は以前ご紹介した事がありますので、今回ご紹介するのは「狸」が出てくるお噺です。
狐が出てくるお噺はこちらからどうぞ
古典落語 権兵衛狸
先輩おじいさまに頂いた音源でよく聞いていましたね。この噺は。
移動の時はずっと落語を聞いてるので、もしかしたら「権兵衛狸」は結構覚えてるかもなんて思って書き出したんですが、恐ろしいほどに覚えていない。。。
結局聞き直す事になったのですが、落語家さんの凄さを改めて感じましたね。
あらすじ
江戸の郊外に住む権兵衛は一人暮らし。
一人暮らしともなると、近所の仲間連中のたまり場になるのは当然の流れで、今日も仲間が家に来て飲んで喋って楽しんでいた。
時間も遅くなり、そろそろお開きにしようか?なんて話になり仲間はそれぞれ家に帰って行く。
権兵衛は、そろそろ寝るかと、戸締りをして横になったとたん、トントンと戸を叩く音が聞こえてきました。
誰か忘れ物でもしたかな?権兵衛は起きて戸を開けるも誰もいない。。。
また横になる権兵衛だったが「トントン、権兵衛~」また起きて戸を開けるも誰もいない。。。もしかしたら、これは狸のいたずらか?と疑う権兵衛。
翌日の事、また横になって寝ようとすると「トントン、権兵衛~」よし来たな。もちろん戸を開けても誰もいない。
権兵衛は戸を閉め、布団に戻ったフリをして戸に手をかけ待ち伏せた。するとしばらくしてまた「トントン、、、」
その瞬間ガラッ!狸は部屋の中に転がりこんだ。
いたずらばかりしやがって、、狸に飛び掛かった権兵衛は、引っかかれながらもなんとか狸を縛り上げた。
お前の仕置きはゆっくり考えるか、、権兵衛はそのまま寝てしまった。
翌朝、村の者が権兵衛の家を訪ねた際に、縛り上げられた狸に気が付いた。
夕べの事を話すと村の者は「なるほど、近頃、人を騙す狸が出ると噂になっていたが、コイツだったか。狸汁にして食っちまうか!」
「いや、今日は父っつあんの命日だから、殺生はしたくはない。少し懲らしめて逃がしてやるよ」
源兵衛は狸をおろしてやり、剃刀で狸の頭の毛を全て刈り取って丸坊主にした。
「もう二度と悪さをするんじゃねぇぞ。」権兵衛は狸を逃がしてやった。
数日後・・・
その夜も、いつものように村の連中が来て飲んで喋って帰っていった。
さぁ寝るとするか、横になった権兵衛だったが「トントン、権兵衛さん~」
うん?権兵衛さん?
戸を開けてみると狸。。。「何だ、またお前か、、まだ懲りてねぇのか!」
『いや、権兵衛さん。今夜は髭を剃ってくだせぇ』
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