本日、ご紹介する古典落語のあらすじは「代書屋」です。
この話が出来た頃というのが昭和の初期ですから、もしかしたら新作落語とも言うのかもしれませんが、ここでは古典落語として紹介しています。
古典落語 代書屋
「代書屋」は上方落語の新作とされていますが、現在では古典と言われる事もあり、東京でも広く演じられています。
演題の代書屋というのは現在でいうところの行政書士のようなもので、字が書けない客と代書屋とのやりとりが面白い滑稽噺となっております。
また今回ご紹介するように一人の客で落とす場合もあれば、入れ替わり立ち代わり代書屋を困らせるパターンなどバリエーションは豊富にあるのも魅力の一席です。
あらすじ
本日も、一筋縄ではいかない客がやってきた。
何やら仕事の履歴書を書いて欲しいとの事だが、どうも要領を得ない。
「名前の漢字はどう書きますんで?」
「おまかせします」
「生年月日は?」
「そういったものは無かったと思います」
「家族は?長男でよろしいんですね?」
「はい。前に兄貴が死んだもんで、今は長男です」
「それは次男ですね。。。お客さん、これね、書き直すといちいち訂正して判を押さないといけないんですよ。しっかりして下さいよ・・・学歴は?」
「ジンジョウ小学校を二年で卒業しました」
「二年?ですか?」
「はい。二年生が終わると先生から来年は来なくていいと言われましたんで、二年で卒業です」
「ジンジョウ小学校、二年修了で中退。と」
「職歴はどうでしょう?」
「饅頭屋をやっていました」
「ほう~ご自分で経営されていたんですか。ふむふむ饅頭屋を営む。で、何年ほどやられていたのですか?」
「いえ。あれだったら自分でも出来そうだなと思ったんで、やろうと思ったんですけど、意外に家賃が高くてねぇ。諦めたんですよ」
「・・・。やらなかったと。。一行抹消・・・」
「後は、へりどめ屋もやりました」
「へりどめ屋とはなんでしょう?」
「へぇ。下駄の歯が減るのを防ぐゴムを歯にくっつける仕事です。道路に御座ひいてやっていましたよ」
「ほう。という事は露天商ですな。ふむふむ。ちなみにこれはちゃんとやったんでしょうな?」
「やりましたとも。あまりにも寒くて二時間で辞めましたが」
「・・・。一行抹消。もういいです。こちらで適当に書きます。ちなみに賞罰はないな?」
罰はあっても賞はないだろと代書屋は聞いてみた。
「ありますとも!去年の大食い大会でぼた餅を86個食べて新聞に・・・」
「そんなあほなこと書けるかいな」
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