名作 古典落語「湯屋番 ゆやばん」あらすじ 解説

本日、ご紹介する古典落語は「湯屋番」

舞台は演題の通り、湯屋(銭湯)の番台。江戸時代から現代に至るまで演じ続けられている非常に人気のある古典落語です。

大人な舞台の噺ではありますが、そこは古典落語、しっかり笑わせてくれる滑稽噺に仕上がっております。是非、音源の方でも聞いて下さいませ。

古典落語「湯屋番」は物語のサゲ(落ち)に触れています。ご覧の際はご注意下さいませ。

古典落語 湯屋番

物語の舞台は湯屋の番台。主人公は古典落語でお馴染みの遊びすぎで家を勘当された若旦那。

3代目柳家小さんを始めとする往年の名人達が好んで演じた湯屋番。今もその弟子達が新しいエッセンスを加えて高座で湯屋番を演じています。

そして、この「湯屋番」は演じる噺家によって色んな味がある為、是非色々な湯屋番を聞いて欲しいと思っています。

あらすじ

仕事もせずに遊んでばかりで、とうとう勘当されてしまった若旦那。

出入りの大工、熊五郎の家に居候させてもらっているのだが、仕事もせずダラダラしている若旦那に居候先のおかみさんはご立腹だ。

ついにはおかみさんと口喧嘩になり、このままなら私が出て行くとまで言われ、しぶしぶ奉公先を探す事に。。。

しかし、この若旦那根っからの道楽者。いくつも奉公先を勧められるのだが中々首を縦に振らない。

ところがある日、勧められた奉公先が湯屋と聞くと、俄然やる気になる若旦那。番台に座れば、堂々と女湯が覗ける。。。こんな甘い気持ちで若旦那は働く事になるのだが。。。

「いやいや良く来て下さいました。なんせ人手不足でね。すぐにでも外回りに行ってもらいましょうか」

「外回り?じゃあ得意様でも連れて吉原にでも接待で行って来ましょう」

「いやいや、外回りというのは、風呂を沸かすための木くずなんかを集めてくるんですよ」

「ゴミ拾いじゃないですか。。勘弁して下さいよ。番台をやらして下さいよ」

「番台ですか・・・番台はお金も扱うし難しいんですよ」

素人には無理だと言うのを何とかお願いして、主人が昼飯に出てる間の代役として、番台に座らせてもらえる事になった。

待望の番台に座った若旦那だが、男湯はギッシリなのに、女湯は誰もいなくてガックシ。。。

そんな若旦那、誰もいない女湯を眺めながら妄想を始めてしまった。

『まぁ女湯にやってきた女が私に惚れるんだ。そうだな、、お妾さんかな。「あら可愛い番頭さんだこと」なんて言ったりして、それで偶然町で出会って、「あら番頭さん、ちょっと家に上がっておいきなさいよ」なんて・・・』

すると、脱衣所にいた男湯の客が、ちょっと番台見て見な、ブツブツ言いながら自分の手を引っ張ってるぞ、大丈夫かあいつ、、面白い光景にだんだん人が集まり出した。

『そこまで言われたら女の家に上がるわなぁ、でもすぐに帰るのもあれだし、雨にでも降ってもらうか、やらずの雨だ。雨がザー、雷がゴロゴロガシャーン。女は驚いて気を失うな、あたしが水を口に含んで口移しで飲ませて・・・』

おいおい、今度はあいつ自分の腕に吸い付いてやがるぞ。ギャラリーもざわつき始める。

『女が正気に戻ると、怖いって私にしがみつくんだよ。もう凄い勢いでグイグイ引っ張るんだ』

見ろよ、あいつ番台から落っこちたよ。

大騒ぎしている若旦那。そこへ1人の客が怒ってやってきた。なんでも、番頭が一人芝居に夢中になってるもんだから、下駄が盗まれたというのだ。

そんな客にも若旦那は全く動じず。

「そこにあるいい下駄でも履いてお帰りなさい」

お前、これ履いていったら、この下駄の持ち主はどうなるんでぇ」

「まぁ、順々に履かせていって、最後は裸足で帰します」

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