名作 古典落語「酢豆腐」落語 あらすじ

原話は江戸時代に発行された軽口太平楽の中の酢豆腐。これが明治時代に落語として完成されたと言われています。またこの「酢豆腐」は上方落語では「ちりとてちん」という演目名で演じられています。

微妙に内容も違いそれぞれ面白い噺ですので、是非どちらも聞いて頂きたいですね。

古典落語 酢豆腐

この演目のテーマは知ったかぶりですかね。落語の世界で知ったかぶりは大抵悲惨な運命を辿るのが定番ですが、この物語でも知ったかぶりの若旦那は悲惨な事になってしまいます。この手の噺は落語の醍醐味。本当に楽しいですね。

以前ご紹介した「転失気」も知ったかぶりの悲劇でしたがこちらも落語初心者の方でも大爆笑の噺なので併せてご覧頂きたいです。

名作 古典落語「転失気 てんしき」あらすじ

2017.02.08

町内の若い者達が揃ったので、暑気払いに一杯やろうとなった。しかし誰も金も無ければ肴もない。ある者が酒屋の番頭と碁敵なので、この前の借りも返してないと言うのを無理に三升借りてもらう事にした。

あとは肴の算段だが、金がないので買ってくるとはいかない。すると中の一人が、台所の糠味噌桶を搔きまわせば古漬けの一つや二つは出てくるだろうと言い出した。

あらすじ

しかし、いざ糠味噌桶に手を突っ込むとなると誰もやりたがらない。誰が出すかでもめているところに、半公が通りかかった。

さんざんおだてて半公に取らせようとしたが、それも失敗。金だけ巻き上げてたたき出した。

さて、酒の肴を買う金は確保できたが、前夜に豆腐を買ってあったのを誰かが思い出した。ところが与太郎がネズミに食われないように釜に入れて上から沢庵石を載せておいたという。案の定、腐ってしまっていた。

捨てちまいなという声の中、「ちょっと待った。そいつを食わせたい奴がいる」と言った男の視線の先には、町の嫌われ者で、気障(きざ)な表通りの若旦那がやって来た。

半公と同じようにおだてにおだてて舶来品なので私らのような者には何だか分からないのです。若旦那なら分かるでしょう?と一口食べさせようと一計を案じる。

おだてられた若旦那はとうとう一口食べてしまう。目はピリピリ。鼻はツーンとする。若旦那の表情がみるみるうちに曇っていく。しかし若旦那は『これは我々のような通家が食する物だからご存じないのも道理。』と知ったかぶりを始める。
「若旦那、これはいったい何て食べ物なんだい?」
『これは酢豆腐でしょう。乙な食べ物ですなぁ』

「そんなに乙ならもっと召し上がれ」と声をかけるが・・・・・

『いや、酢豆腐は一口に限りやす』

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