名作 古典落語「品川心中」落語 あらすじ

落語を題材にした名作テレビドラマ「タイガー&ドラゴン」でも取り上げられた「品川心中」

この噺は全部演じると非常に長い噺なので、現在では前半部分だけを演じるのが一般的となっています。ちょっと後編は陰気で後味も悪いので前半で切っているというのもあるのかもしれませんが。ここでは「品川心中」の前半を取り上げています。

そしてこの「品川心中」の舞台は品川の遊郭です。落語で遊郭が舞台の噺は多くどれも名作で私も大好きな噺が多いんです。以前ご紹介した「明烏」は吉原の遊郭が舞台の噺でしたが、こちらも名作古典落語ですので、是非ご覧になって下さいね。

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古典落語 品川心中

店一番の売れっ子の事を板頭と呼びます。これは、品川では名前を板に書き並べて、稼ぎ頭が筆頭に書かれる事からきています。

ちなみに吉原では一番の売れっ子をお職と言っていたそうです。

品川の白木屋の板頭を長年張ってきた「お染」も寄る年波には勝てず、お客は日に日に減っていく。板頭とは名ばかりで、年下の若い子に客が付き羽振りが良くなっているのに、お茶を挽く事が多くなってしまっていた。

あらすじ

四季の移り替えという仕来りに必要な金がないお染。

新しい着物、祝儀、用立ててくれるようなパトロンもいない。

このまま恥をかくくらいなら死んでしまおうと思ったお染だったが、金が無いから死んだと思われるのは悔しい。

そこで客と死ねば心中と浮名が立つと考えたのである。

相手を探していると本屋の金蔵に目がとまった。金蔵は独り者だし馬鹿で助平、自分に夢中になっているし心中の相手はこの人に決めたお染。

手紙をもらった金蔵は喜んでやってきてお染に話を聞くと、40両必要だという。

いくら自分がかき集めても一両が限界。遺書を書いているお染に、お前が死んだら俺も生きていてもしょうがない。俺も一緒に死のう。言ってしまったのである。

翌日、お世話になっている親分のところへ暇乞いに出かけた金蔵だったが、親分に品川に通っているらしいが移り替え前に金に困った女に心中でもふっかけられるんじゃないぞなんて言われ早々に引き上げる金蔵。しかしその時に心中の為に買った脇差しを忘れてしまった。

結局、品川の海に入水する事になり、金蔵を海へ突き飛ばしたお染。さぁ自分も飛び込もうしたところで若い衆に引きとめられた。なんでも石町の旦那が50両持って来てくれたというのだ。しかし金蔵が、、、と言うと。金蔵なら勘定が払えず飛び込んだという事にすればいいと若い衆はあっさり。

それならとお染も引き返してしまった。。。

幸いにも遠浅の海だった為、大事には至らなかった金蔵。その二人の会話聞いてカンカンに。

絶対仕返ししてやると、頭から血が流れ全身泥だらけで這い上がり何とか親分の家にたどり着いた。博奕をしていた連中が突然、戸を叩かれたもんだから大騒動。

それが金蔵と分かりほっとするも、一人だけ微動だにせず座っている者がいた。

「さすがお侍さんだ。びくともしねぇでたいしたもんだ。」

「いえ。とっくに腰が抜けております。」

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