古典落語「大仏餅」は三遊亭圓朝の創作落語と言われていて、大福餅を得意としていた八代目桂文楽さんはあまりにも有名ですね。
八代目桂文楽さんは得意としていたこの「大福餅」を高座で披露した際、終盤で言葉に詰まり「台詞を忘れてしまいました。もう一度勉強しなおして参ります」と話の途中で高座を降りてしまいました。
得意としていた演目の失敗の後、文楽さんはその後のスケジュールを全てキャンセル。二度と高座に上がる事はありませんでした。
古典落語 大福餅
その昔、大仏の目の片方が大きな音をたてて腹の中にへ落ちた事がある。
大勢が集まり修繕の相談をしていると、一人の男がやってきて直すと請け負った。
男は、大仏の体を伝って這い上がり空洞になった目玉から腹の中へ入って、落ちていたのを拾うとそのまま中から目を張り付けた。
見ていた誰もが、入ったところを塞いでどうするつもりだ。あの人閉じ込められちゃったよ。と心配していると。
男は鼻の穴から出てきた。。。利口な人は目から鼻へ抜ける・・・
あらすじ
冬の寒い季節、ある商屋に少年が訪ねてきた。
「おとっつぁんが怪我をしましたので、血止めに煙草の粉を少々下さい」
見ると親子で、父親は目が不自由らしく息子に掴まり立っている。
子供の歳を聞くと6歳で、その日お客様を招待して袴着の祝いをしたばかりの、当家の坊ちゃんと同い歳。
取り寄せた八百善の料理が残っているから、面桶(めんつう)を持っているならそれに入れてあげようと言うと。これにお願いしますと取り出したのが、朝鮮さはりの水こぼし。主人は驚いてしまった。
『お前さんは、これを面桶の代わりに使っているのか?』
「何もかも売り尽くしましたが、こればかりは手放せません」
『察するところ、お茶人だね』
主人は膳を二つ用意させて親子を座敷にあげた。残りものではあるが八百善の料理である。以前は相当の方だったのだろうと聞いてみると、お客様を招待して八百善の料理を食べてもらう事もあったという。
『乞食をしても、その水こぼしを手放さないのは真のお茶人だ』
さらに聞くと、流儀は千家、川上宗治の弟子で芝片門前に住んでいた神谷幸右衛門であった。
お上の御用達をしていたあの神幸かと驚いた主人の名は河内屋金兵衛。
お菓子は客に出してしまったので大福餅が出された。
子供に食べさせると、お茶うけに自分の手にも乗せてもらった神幸は食べようとして咽喉に詰まらせ目を白黒。
驚いた主人が背中を叩くと、その拍子に目が開いた。
『おや、目がおあきなすった』
「はいあきました」
そう言った声が妙な鼻声で・・・・・
「無理もありません。食べたのが大仏餅ですから、目から鼻へ抜けたんです」
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