一攫千金。宝くじに夢を託して。
人生一度でもいいから宝くじで一等を当ててみたいですよね。私は、一時期よく買ってはいましたが、あまりにもかすりもしないので、いつしか買う事すらしなくなってしまいました。。。買わなきゃ当たらないんですがね。
昔から宝くじは存在していて宝くじを題材にした落語もいくつかあります。以前ご紹介した「富久」も富くじを題材にした噺。まだ聞いた事がない方はこちらも是非ご覧下さい。
ちなみに現在は宝くじと呼ばれていますが、本来は富くじです。
古典落語 宿屋の富
元々は上方落語の演目で、東京には三代目柳家小さんが持ち込んだと言われています。
上方では「高津の富 こうづのとみ」
高津の富も本当に面白いので是非両方聞き比べてみて下さいね。
あらすじ
馬喰町にある、流行らない宿屋に泊まった客が、入ってくるなり「千両箱の使い道に困って漬物石に使っている」だの「泥棒が入ったので好きなだけやると言ったのに、千両箱八十くらいしか持っていかなかった」などと物凄い事を物凄い勢いで吹きまくる。
人がいい主人は客の言葉を信じ、そんな旦那様に一つお願いがと切り出す。
それは、宿屋だけではやっていけないので富の札を売っているが、一枚余ったのを買ってほしいというものだった。
金額はいくらだと聞く客に、一分だと答えると、これ以上金を増やしたくはないが、まぁいいだろうと買ってくれた。しかも当たれば半分くれると言うのである。
喜んだ主人は富くじの番号『鶴の千三百五十八』を控えた。
主人が部屋を出ると、とうとうなけなしの一分も取られてしまったとぼやく客。まぁたらふく食って飲んで逃げるべ・・・
次の日、金の取引をしてくるなんてホラを吹き富くじを確認しに行くと、、まさかの『鶴の千三百五十八』が、一番富の千両に当たったのだ。
あまりの事態に足の震えが止まらない客。宿屋に戻って布団を被りブルブル震えている。
そこへ主人が踊るように帰ってきて「二階のお客様に売った富くじが千両当たったぞ」
『それは良かったね。これでもう旅籠賃の取りっぱぐれはないね』
「お前にはまだ話してなかったが、半分の五百両がもらえるんだよ」
お祝いしましょう。宴~と叫び二階に駆け上がる亭主。
「千両くらいで騒ぐな。貧乏くさいな。客の部屋に下駄のまま上がる奴がいるか」
そういわずにお祝いしましょうと布団をめくると客は草履を履いたまま。。。
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