名作 古典落語「道灌 どうかん」落語 あらすじ 解説

本日、ご紹介する古典落語は、道灌(どうかん)

落語の王道とも言える噺で、短いながらも落語の基本が詰まっており、若手の練習用の噺とも言われています。

しかし前座噺でありながら、大御所真打が高座で演じたりするのがこの噺の奥の深さを物語っています。

古典落語「道灌」は物語のサゲ(落ち)にふれています。ご覧の際はご注意下さいませ。

古典落語 道灌(どうかん)

物語の主人公は、古典落語お馴染みの八五郎とご隠居。

今日もご隠居の所へ遊びにきた八五郎。いつものように無駄話をしていると、ご隠居が屏風を見せたところから話題は絵画の話へ。。。

あらすじ

ご隠居に屏風を見せてもらっている八五郎は一枚の絵に目が止まった。

聞けば、太田道灌(おおたどうかん)の山吹の里の伝説を描いたもので、道灌が、突然の雨に困って一軒の貧しい家に立ち寄り雨具を借りようとしたところ、その家の15才くらいの女性が出て来て「お恥ずかしゅう」と言いながら山吹の枝を差し出した図という事らしい。

「それは間抜けな女だね。山吹の枝なんかじゃ雨をしのげる訳ないじゃないか」

「それが、歌道に暗い者の考えじゃ。これは古歌に由来してな・・・」

『七重八重 花は咲けども 山吹の 実のひとつだに なきぞ悲しき』

「この女性は、『実のひとつだに』という部分と雨具の『蓑(みの)』をかけて、恥ずかしながら蓑の一つもございません。と断ったんじゃ」

「まぁでもお前さんが知らないのも無理はない。道灌公も博識な家来に教わるまで知らなかったんだから。それで、私は歌道に暗いと嘆いて、その後たいへんな努力を重ねて、名歌人と呼ばれるようになったんじゃよ」

これはいい話を聞いたと八五郎。。いつも雨具を借りにくる友達を、この歌の文句で追い返してやろうと家に帰って待ち構えていると、パラパラと雨が降って来た。

「八五郎や~い。すまねぇがちょいと貸してもらいてぇんだが」

もう来やがったと思ったら、今日は雨具は持っており、暗くなってきたから提灯を借りにきたと言う・・・

八五郎は、雨具を貸してくれと頼めば提灯を貸すからなんて、訳の分からない事を言って無理やり雨具を借りさせようとする。

「なんだよ。訳分からねぇなぁ。分かったよ、、じゃぁ雨具を貸してくれ」

待ってましたと八五郎、ご隠居に書いてもらった紙を取り出して差し出した。

「なんだこれ。。ナナヘヤヘ、ハナサケドモ・・・・なんだ都々逸かなんかかい?」

「都々逸だぁ?お前は歌道に暗いな」

「だから、暗いから提灯を借りに来た」

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