名作 古典落語「出来心」あらすじ 泥棒の出てくる泥棒噺

落語には泥棒を扱った噺が数多くありますが、今回ご紹介する「出来心」もドジな泥棒が主人公。

別題で「花色木綿」という演目で演じられる事もあります。

泥棒ネタですので五代目柳家小さんが得意としていたというのは有名ですね。泥棒噺と言っても、怖い話ではもちろんありませんよ。落語は笑って楽しむもの。大爆笑必死の滑稽話ですのでご安心して楽しんで下さい。

この演目はサゲ(落ち)まで書いてありますので、ご覧の際はご注意下さい。

古典落語 出来心

落語に出てくる泥棒でまともな者はいないですね。大抵、ドジで何をやっても上手くいかないのです。

「お前はドジだから、もう泥棒は辞めて堅気になったらどうだ」と突然親分に言われて

『これからは心を入れ替えて一生懸命頑張りますから、今まで通り置いて下さい』と頼みこんだのだが。。

あらすじ

しかし、人には向き不向きはあるもので、心を入れ替えてとは言ったものの、土蔵破りをやったつもりが、お寺の練塀を切り破って向こうに出たとか、庭のあるような所に忍びこんでと入ったら公園だったりとまるで才能がない。

そこで、親分に空き巣狙いをやるように勧められ、捕まった時の対処法まで教えてもらった。

「長い間失業しておりました。子供もおり、病を患った父親もおり貧の盗みの出来心でございます、涙でもこぼせば、出来心じゃしかたがないと許してくれるだろうし、うまくいけば銭を少しくれる奴がいるかもしれねぇ」

よしとばかりに空き巣に向かうも、入ってみたら空き家だったり、下駄泥棒に間違えられたり、ドジを連発してしまうが、なんとか、ある家に忍び込む事が出来た。

すると部屋には七輪におじやの土鍋がかかっている。空腹なので食べていると、部屋の住人、八五郎が帰ってきた。。。

逃げ場がないので、縁の下に隠れるが、泥棒に入られた八五郎は驚くどころか、これを利用しようと考え大家を呼んで来た。店賃を盗まれたと言い訳に使おうというのである。

盗難届を出さないといけないと言われたが、盗られたものなどはない。しつこく聞かれるもんだから、布団を盗まれたと言ってしまった。すると、表地は?と聞かれたが分からないので、大家さんとこでよく干してあるのと同じだと言うと、唐草で別に上等なものではない、それでは裏は?ときかれたので、大家さんとこのは?「うちのは丈夫であったかい花色木綿だ」

「うちのも、丈夫であったかい花色木綿なんです」

それからは馬鹿の一つ覚えで、羽二重の着物の裏が花色木綿、帯の芯も花色木綿、ありとあらゆるものに「裏は花色木綿」を連発。

するとついには泥棒が我慢出来なくなって床下から飛び出した。

『あんまり馬鹿馬鹿しいので我慢出来なかったじゃねぇか。なんでもかんでも裏が花色木綿って。この家には盗る物なんて何もねぇじゃねぇか』

「おい、八五郎。どうしてあんな嘘を並べた?」

『へぇ大家さん。これもほんの出来心でございます』

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