名作 古典落語「目黒のさんま」「道具屋」あらすじ

本日は名作 古典落語を2つご紹介したいと思います。

目黒のさんま

数ある古典落語の中でも特に人気も高く、多くの名人が演じる演目です。

CDやDVDも数多く発売されているので、色んな目黒のさんまを聴く事が出来ますよ。三遊亭金馬さんや三遊亭圓楽さんなど私は10人以上の目黒のさんまを聴いています。この秋の季節にぴったりのこの演目是非お聞きになって頂きたいです。

あらすじ

ある秋の日、殿様が突然の思いつきで遠乗りに出るところから物語は始まります。

目黒に着くと、お腹を空かせた殿様は、弁当を用意しろと家臣に言いますが、突然の遠乗りの為、弁当の用意はありません。

すると空腹の殿様の元に何やら美味しそうな香りが漂ってきたのです。

「これは何の匂いだ?」と家来に尋ねると「これはサンマと申す、下衆魚です。殿のお口に合う食べ物ではございません」と家臣。

しかし空腹の殿様は家臣にサンマを持って来いと命じるのです。

殿様の元に持ってこられた脂の乗った熱々のサンマ。

いざ口に運ぶと、その美味しさに殿様は感動してしまい、あっという間に全て平らげてしましました。

城に戻ってからも、目黒で食べたサンマが忘れられない殿様。

しかし、お城では下衆魚は食べる事は出来ません。なんとしても、もう一度あのサンマが食べたい殿様、そんな時、親族の集会があり、何でも好きなものを食べれるというので、サンマを食べたいと殿様は言います。

しかし庶民の食べ物のサンマはもちろん用意がありません。

慌てる家臣は、急いでサンマを買いに行き調理を始めるのだが、さんまを焼くと脂が多く出る。それでは体に悪いということで脂をすっかり抜き、骨がのどに刺さるといけないと骨を一本一本抜くと、さんまはボロボロになってしまった。さすがにこんな形では出せないのでお椀に盛り付け出したのだが。

あまりのまずさに「これはどこで求めたさんまだ?」

「はい、日本橋魚河岸で求めてまいりました」

「それはいかん。さんまは目黒に限る」

道具屋

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前座の修行用の噺ともされる道具屋。

多くの小話をまとめた話とも言われるだけあって様々なサゲがあるのが特徴です。そしてこの話には、落語では欠かせない与太郎が出てきます。

与太郎は実在の人物ではないのですが、何をやっても失敗してしまうおっちょこちょいな役として、多くの落語の演目に登場します。

与太郎が出てくると爆笑必須の面白い噺が多い事から、与太郎噺とも呼ばれる事もあるくらいです。

あらすじ

定職にもつかずいつも遊びほうけている与太郎。そろそろ仕事をしないととは思ってるものの、中々だらけきった生活を変える事は出来ません。

そんな与太郎を心配している叔父は与太郎に道具屋になる事を進めます。

そして道具屋となった与太郎の元へ、初めてのお客がやってくる。

ノコギリを見せて欲しいという客にノコギリを見せる与太郎。しかし客は「甘いな。これ焼けてないだろ」と与太郎に問います。
与太郎は「これは叔父さんが火事場から拾って来たやつだから良く焼けてます」と答え。お客を呆れさせてしまいます。

次の客は短刀を見に来ました。しかし、いくら抜こうとしても短刀が抜けません。与太郎も協力しますが一向に抜ける気配のない短刀。そこで与太郎は「これは木刀ですね」と平気な顔で言います。

しかたがないので鉄砲を取り「これはなんぼか?」

「一本です」

「鉄砲の代じゃ!」

「樫です」

「金じゃ!」

「鉄です」

「貴様は馬鹿か。値じゃ!」

「音はズドーン!」

最後に

本日の2つの演目は、初めて落語を聞く方にも分りやすいと思い選びました。
道具屋は、本当に色々なパターンがあるので、是非色んな噺家さんの道具屋を聞いて欲しいと思います。

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