名作 古典落語「元犬」あらすじ

落語には動物が出てくる話がいくつもありますが、今回ご紹介する演目は、タイトルにもありますように『犬』が主人公のお話です。
以前ご紹介した古典落語「ねずみ」同様に動物の登場する落語は好きでよく聞いているんです。サゲもシュールで思わずくすっとしてしまう「元犬」是非お楽しみ下さいませ。

名作 古典落語「ねずみ」あらすじ

2016.12.09

古典落語「元犬」

「元犬」は遡ること江戸時代の頃より演じられていた話だそうで、当時は白い犬は人間になれるという伝説が信じられていたとか。

そういえばSoftbankのCMに出てくるお父さんも白い犬ですもんね。関係ないかもしれませんが、あのCMを見ると、ふとこの演目を思い出すんです。

あらすじ

ある日の事。白い犬は近所のご隠居さんに、白い犬は一番人間に近い存在なんだよ。

お前は次生まれ変わったら人間になれるよ。と声をかけてもらい。嬉しくなり、来世ではなく現世で人間になってみんなとお話しがしたと思うようになりました。

一念発起した白犬は、八幡様にお百度を踏んで『人間になりたい』と願をかけるのです。

お百度とは、神仏に祈願する為に同一の社寺に百度参拝する事。百度参りともいう

するとある日、一心不乱に祈っていると、どんどん白い毛が抜けていき人間の姿になる事が出来たのです。

人間になったはいいものの、どうしていいか分からない。そこで犬の時に可愛がってもらったご隠居の元へ行き事情を話すと、裸でいるのは気の毒だと家にあげてくれた。
しかし、なかなか犬の癖は抜けないもの。

つい這いつくばって歩いてしまったり。。

尻尾はないのに尻を振ってしまったり。。

ほいろに火をかけてくれと言われ、ワンワンと吠えてしまったり・・

ご隠居も不思議な目で見つめています。

そんな時、ご隠居が女中のお元さんに用事があり『お元はいぬか?』と声をあげたのだが、勘違いした白犬は・・・

「元は犬でしたが、今朝がた人間になりました」

最後に

動物の登場する落語はファンタジーの世界の物語のようで楽しいですね。
実はこの「元犬」という演目は、高座で聞いた事ないんですよね。前座さんから大御所まで幅広く演じられている演目と聞くんですが、なかなか聞けません。まぁ落語の演目の数は500はあるとも言われていますからね。狙って聞きに行けませんから(笑)当日、その場の空気で噺家さんも演目を決めてますしね。

未だに寄席に行くと、この話なんだ?って事ありますからね。それが逆に楽しいんですけど。
この「元犬」も噺家さんそれぞれアレンジを変えていたりするので、そこも聞くときに楽しんでもらいたいです。

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