元々は上方落語の演目で後に東京へ移植された「質屋蔵」落語の演目の中でも、お化けや幽霊を扱う作品は個人的に好きでよく聞いています(こんな真冬に聞くのもあれですが)
以前、ご紹介した「へっつい幽霊」も普通に幽霊が出てきちゃいますしね(笑)でもこれが落語の面白さではないでしょうか。
古典落語 質屋蔵
質屋の旦那が朝湯に行くと、質屋の蔵でどうのこうのと話す事が聞こえてきた。詳しく話を聞いてみると三番蔵に化け物が出るとの事。これは信用に傷が付くと番頭を呼んで寝ずの番を頼むも、お化けが苦手な番頭は今日限りで辞めさせてもらいたいなんて言う始末。
化け物なんている訳がない。化け物の正体は質の気ではないかというのが旦那の考えだ。
番頭が一人では無理だと言うので、出入りの熊五郎に一緒に見届けてもらうように頼むが。。
サゲの意味を理解するとこの噺の面白さが分かると思いますよ
あらすじ
旦那に呼ばれた熊五郎。今までやってきた悪事がバレたと思い、酒を内緒で飲んだうえに酒樽一本持ち帰った事を詫びた。酒の話じゃないと言われると、上等の桐の下駄を三足ちょろまかした事や洗いざらい白状してしまった。
旦那は呆れて怒る気もおきない。
「まぁいい。熊五郎。お前はたいへん強いと聞いたが本当か?」
『自慢じゃありませんが、腕っぷしだけは自身があります』と虎を倒しただのホラを吹き始める熊五郎。
「そこを見込んで頼みたいのだが、夜中になると三番蔵に化け物が出ると噂になっているので見届けてもらいたい」
化け物と聞いてブルブルと震えだした熊五郎。一人かと尋ねると番頭も一緒だと言われほっとした。
『番頭さんは強いんでしょ?』
「お前の後ろで震えてるよ」
こうして臆病な二人が蔵の中に入りぶるぶる震えながら時間が経つのを待っていたところ、草木も眠るという丑三つ時、突然大きな音が鳴り響いた。
怖いもの見たさで二人が寄り添って近づいて見ると、竜紋(りゅうもん)と小柳(こやなぎ)が行司の言葉に合わせて相撲を取っている。
質草の羽織の竜紋と小柳の帯が相撲を取るところをみるとやはり質の気が出てるらしい。
続いて棚に乗っていた掛け軸が開くと、衣冠束帯、梅の枝を持った菅原道真公が出てきた。横町の藤原さんから質に取った天神様の掛け軸である。
『これ、番頭。藤原方へ利上げせよと申し伝えよ。あぁ、また流されそうじゃ』
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