本日は古典落語『金明竹』をご紹介したいと思います。
今回ご紹介する『金明竹』も、古典落語ではお馴染みの与太郎が主人公です。
前回、ご紹介した「牛ほめ」も与太郎が主人公でしたが、やはり与太郎の噺は面白く初心者にもおすすめなので、今回はこのお噺を選びました。
噺が気になれば是非、音源、寄席にも足を運んでくださいませ。
古典落語 金明竹
物語の主人公はお馴染みの与太郎。
「金明竹」の物語は前後半に分かれていますが、主に後半を演じる落語家さんが多いので今回は後半をご紹介します。
難解な言葉が多く出てきますが、言葉の意味よりも早口で語られる落語家の話術に面白さがあるお噺で、名作古典落語「寿限無」と並んで前座噺の代表とも言われています。
落ちは与太郎噺お馴染みの地口落ち。是非とも寄席、音源で聞いて欲しい一席です。
同音または類音異義の語を用いるもの。ダジャレ。上方落語ではにわか落ち。
あらすじ
叔父の骨董屋を手伝う与太郎は何をやらせても失敗ばかり、、、今日も主人は与太郎の尻拭いの為、外出する事に・・・
そこに入れ替わりでやってきたのは関西からの客人なのだが、与太郎には何を言ってるのか訳が分からない。
「ごめんやす。わては中橋の加賀屋佐吉方から参じました者でございまして。。」
店に入るなり口上をまくしたてた。
「先度、仲買の弥市の取り次ぎました道具七品でございますが、あれは佑乗(ゆうじょ)・光乗(こうじょ)・宗乗(そうじょ)、三作の三所物、横谷宗珉小柄付きの脇差、中身は備前長船の則光で、塚前は旦那はんが鉄刀木との仰せでございましたが、埋もれ木じゃ、木が違っておりますさかい念のためお断り申し上げます。次はのんこの茶碗、並びに黄檗山金明竹寸胴切の花活け、『古池や蛙飛び込む水の音』と申します。あれは風羅坊芭蕉生筆の掛物で、沢庵、木庵、隠元禅師張り混ぜの小屏風、あの屏風(びょうぶ)は、わての旦那の檀那寺が兵庫におりましてなぁ、この兵庫の坊主の屏風にいたしましたとなぁ、かようお伝え願います。」
与太郎は初めて聞く上方訛りに、訳が分からないが大喜び、、もう一度言え、もう一度言えとからかう始末。
そこへ主人の女房がやって来た。
「これはこれは与太郎が失礼を、、すみませんが、もう一度お聞かせを。」
聞いてはみたが、主人の女房も全く意味が分からない。。。関西の客人は3回も同じ話をさせられ、クタクタになって帰ってしまった。。。
そこへ主人が帰ってきて口上を訪ねる。
「なんでも、中橋の加賀谷、弥市さんが、、、、遊女を身請けして、遊女が孝女で、掃除が好きで、、、しまいには遊女を寸胴切りしちゃって、、それで逃げようと船で越前へ、、船では沢庵と隠元のお茶漬けを食べて、そしたら兵庫に着いちゃって、屏風を立てまわして坊主と寝たとか・・・・」
「何を言ってるのかさっぱり分からねぇ。。。何か分かるとこはねえのか?」
「確か、古池に飛び込んだとか・・・」
「弥市が飛び込んだ?あいつには七品の買い物を頼んでいたんだが、、買ってたかい?」
「いいえ。買わず(蛙)です。」
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