名作 古典落語「たらちね」あらすじ サゲ(落ち) 解説

本日、ご紹介する古典落語は「たらちね」

前座噺とも言われ、寄席などではよく聞く事が出来る演目の一つです。

言葉が難解な部分も多い噺ではありますが、聞いてて思わず笑ってしまう落語ならではの不思議な魅力があるんですよね。そして聴いた後に言葉の意味を調べてより楽しむのも落語の醍醐味ですので、落語の楽しさを詰め込んだ一席となっております。

今回の「たらちね」は物語のサゲ(落ち)にふれています。ご覧の際はご注意下さいませ。

古典落語 たらちね

たらちね(垂乳根)とは、「垂乳根の~」は母にかかる枕詞です。

上方落語で延陽伯として演じられていた噺を東京に「たらちね」として移植したお噺。

人は良いのだが貧乏で中々、嫁の出来ない八五郎に長屋の大家さんが願ってもない縁談を持ち込んでくる所から物語は始まります。

あらすじ

八五郎がどんな女なのか尋ねると、炊事・洗濯・縫い仕事、全てこなし嫁入り道具まで持参しているという。器量もあり悪いところが見つからない。。あまりの好条件にかえって怪しむ八五郎。

何か事情があるのでは?そう思った八五郎は尋ねてみると、相手の女性には傷があるという。。。

「傷ってのはなんです?おでこに三日月の形の傷でもあるとか?」

「そうではない。実は名家の出でちょっと言葉が丁寧すぎるんだ」

「丁寧すぎる?いいじゃありませんか。丁寧すぎて悪い事なんてない。嫁に貰いました!」

さぁ、嬉しくてしょうがない八五郎。わけのわからない妄想も膨らんで、その日のうちに祝言となった。

急いで床屋と銭湯に行き身支度を整える八五郎、、いよいよ新妻がやってくる。一通りの家財道具が運び込まれいざ対面。

話に聞いていた通りの美人で八五郎は大喜び。挨拶をする八五郎だが、嫁の返事は・・・

『賤妾浅短にあって是れ学ばざれば勤たらんと欲す』

「えっ。。。金太郎???」

訳が分からない。。名前を聞いてみると・・・

『父はもと京都の産にして姓は安藤、名は慶三、字を五光と申せしが、我が母三十三歳の折、一夜丹頂鶴を夢見わらわを孕めるがゆえに、垂乳根の胎内を出でしときには鶴女。鶴女と申せしが、それは幼名。成長の後これを改め清女と申しはべるなり。』

「えー。今のが名前かい?こりゃ大変だ。。。まぁいい。今日は疲れた。また明日にでも話そう。」

さて次の日。働き者の嫁はすっかり膳を整えて八五郎を起こす。

『あーら我が君。日も東天に出御ましませば早々御起床召され。うがい手水に身を清め、御前仏前に燈灯(みあかし)を供え、御飯も冷飯に相なり候へば、早く召し上がって然るべう存じたてまつる、恐惶謹言。』

「朝飯で恐惶謹言だ?なら酒なら酔ってくだんのごとしか?」

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