名作 古典落語「三軒長屋」落語 あらすじ 解説 サゲ(落ち)

テレビドラマの影響もあり「テラスハウス」(つながった一戸建て)なんて言葉は最近よく聞きますが、高層マンションが建ち並ぶ現在の日本では、昔ながらの長屋というのも最近では見なくなってしまいましたね。

しかし、どんなにセキュリティが高いアパートやマンションになってもいつも問題になるのがご近所トラブル(ご近所付き合いがないのも原因か?)、昔の壁が薄い長屋では、さぞトラブル続きかと思いきや、意外にもそうでもなかったようです。

生活音まで聞こえるほどの状況なのに、長屋の住人は仲良し。

昔の人は同じ長屋に住む者はみんな家族のような気持ちになっていたのでしょうか?

そう考えると、今はどんどん各家庭が孤立しているという事ですよね。だからこそ「テラスハウス」のような番組が面白く映るのかもしれませんね。

この演目「三軒長屋」はサゲ(落ち)まで解説しています。ご覧の際はご注意下さいませ。

古典落語 三軒長屋

この噺は、タイトルの通り三軒の長屋のお噺ですが、もちろん古典落語ですから住人は仲良しという訳ではありません。

うるさい隣とうるさい隣に挟まれてしまった住人の面白くも馬鹿馬鹿しいお噺、是非とも楽しんで下さいませ。

あらすじ

噺の舞台は二階もついた立派な三軒の長屋。

住人は、火消しを生業とする鳶頭。剣術の道場を開いている楠運平(くすのきうんぺい)という侍。

そして、挟まれた真ん中の部屋には金貸し伊勢屋勘右衛門の妾(めかけ)が女中(じょちゅう)と一緒に静かに住んでいる。

ある日、伊勢屋勘右衛門に妾が隣がうるさく静かに過ごせないから引っ越したいと訴える。

訳を聞くと、鳶頭の家では常に若い者が出入りし、酒を飲んではドンちゃん騒ぎ。。

反対の剣術の先生の家は生徒が朝から稽古をしているので、これまた騒がしい。。。

伊勢屋勘右衛門は、この土地は家質抵当に入ってるから、三軒長屋はまもなく自分のものになる。そうなればこの三軒長屋は妾宅にするからと妾をなだめた。

しかし、この会話をこっそり聞いていたこの家の女中が井戸端で話してしまったもんだから、大変な事に。。

この話を聞いた鳶頭のおかみさんは怒り狂い、鳶頭に全てをぶちまけた。

鳶頭は全てを聞き終わると、羽織を着て楠先生の道場へ出かけて相談を持ち掛ける。

翌日。

紋付袴姿で伊勢屋勘右衛門の妾の家を訪れた楠先生。

生徒も増え手狭になったので転宅する事になったが、貯えがないので千本試合を三日間する事になった。

斬り合いを始めて、首の二つや三つ、腕の五本や六本は転がりこむかもしれないが、ご了承頂きたいなんて言うもんだから、伊勢屋勘右衛門は転宅費用の五十両を出して千本試合をやめてもらった。。。

楠先生と入れ替わりに入って来たのが鳶頭。

転宅する事になったが、費用が無いので花会を開く事になった。気を付けはしますが、博奕事なんで刃物を持ち出しての喧嘩が始まって首の二十や・・・分かった。初めから引越し費用と言えってんだ。とこちらも五十両出す事に。

「しかし、鳶頭。楠先生も引越しするって言ってたが、おまえさんどこへ引っ越すんだ?」

『あっしが、先生のところへ越して、先生があっしのところへ』

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