名作 古典落語「阿武松 おうのまつ」サゲ(落ち) あらすじ

日本の国技でもある「相撲」

毎年様々なドラマが生まれ、これまで多くの名勝負が生まれてきました。

落語が好きな年配の方は、相撲も好きって方多いんですよね。

そして今回ご紹介する古典落語は、「相撲」がテーマとなっています。相撲と落語のコラボレーション!是非ご堪能下さいませ。

今回ご紹介する古典落語「阿武松」はサゲ(落ち)まで触れています。ご覧の際はご注意下さいませ。

古典落語「阿武松」

京橋にある武隈文右衛門という関取の家では最近米の減りが急にひどくなった。

不思議に思った女将さんが注意深く見ていると、新弟子の小車がたいへんな大食いだという事が分かった。

この小車、博打も酒も女もやらない堅物だとは聞いていたが、まさか大食いだったとは・・・

相撲取りは大食なのは当たり前だが、この小車はそんなもんじゃない。。朝、ご飯を炊くと赤ん坊の頭ほどのおむすびを7、8個食前にペロリと平らげてからお膳に向かって食べるのを36杯までは女将さんも数えたが、恐ろしくなって勘定するのをやめたという。。。

あらすじ

流石にこんな新弟子がいたんじゃ、食いつぶされてしまうと女将さんは武隈に相談する。

それを聞いた武隈、お前は相撲取りにはなれん!故郷へ帰れと小車を追い出してしまった。

大食いだからなんて理由で、追い出された小車。こんなんでは故郷には帰れない。

京橋から板橋、そして志村、すると戸田川が見えた。懐にある一分の金を使いきってこの川に身を投げるとしよう。。そう心に決めた。

板橋の橘屋善兵衛の旅籠に泊まる小車。これが最後の飯だと食うわ食うわ。二升入りのお鉢を三度取り換えても、全くペースが衰えずに食べ続けている。

それを見ていた女中は驚き、善兵衛の元へ報告しに行った・・・

話を聞いた善兵衛は、小車のもとへ行き私は旅籠屋のかたわら農作もやっているから、米には困らないんだ。好きなだけ召し上がって下さいと声を掛けると、小車が事情を打ち明けた。

「なんとも気の毒な話だ。あたしも相撲が好きで、贔屓にしている関取もいるからお世話しようじゃないか」

『せっかくですが、お世話していただいても、また大食いで断れるのでは。。』

「心配するな。飯の世話は私がしよう。毎日一俵でも食えばいい。」

善兵衛が連れて行ったのは、根津の七軒町にある錣山喜平次(しころやまきへいじ)の所だった。

善兵衛が弟子にとってもらえないかと頼むと、錣山は身体を見るなり二つ返事で引き受けたのだった。

善兵衛がこれまでのいきさつを説明し、一人前になるまでは飯の世話はすると申し出たが、相撲取りが大食いなのは当たり前の事だとその申し出を錣山はきっぱりと断った。

親方の出世名「小緑」というしこ名をもらい奮起する小車。

まだ百日も経ってないのにも関わらず、番付を60枚飛び越えるという異例の大出世。

文政5年。蔵前八幡の大相撲。小緑改め小柳長吉として入幕し初日から三連勝。

四日目の相手はかつての師匠武隈。この相撲が長州公の目に留まり、のちに『阿武松緑之介』と改名して『六代目横綱 阿武松緑之介』と出世を遂げる。出世力士の一席。

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