落語を聴く方には、お馴染みの登場人物『大店の若旦那』もちろん、一生懸命働き、親孝行する若旦那は出てきません(笑)
落語ファンはもちろん、噺家さんの間でも非常に人気がある「船徳」。噺家さんよって若旦那の描写がそれぞれ違い、それがまた面白く現在でもよく演じられる演目となっています。
古典落語 船徳(ふなとく)
元々は長編の人情話だった「船徳」それが明治時代にアレンジが加えられ滑稽話として広まったと言われています。
あらすじ
道楽の末、勘当されてしまった大店の若旦那の徳さん。現在は船宿の二階に居候の身。
ある日の事。親方が船頭全員を集め、今日から徳は船頭になると宣言した。船頭になれば一番下っ端だから、全員そのつもりで面倒みるようにと。
若旦那は、居候しているうちに、船頭に憧れを持ち船頭になりたいと親方に頼み込んでいたのだ。
こうして新米船頭となった徳だが、周りの者達は不安でいっぱいである。
ある暑い日に、なじみの客が来たのだが船は全部出てしまっていると女将は断っていた。しかし、河岸に一隻あったぞと客も引き下がらない。確かに船はあるんですが、船頭が皆出払ってまして申し訳ないのですが。と言った所、客は柱に寄りかかって居眠りをしていた徳を見つけ、船を出せと命じる。女将が止めるが聞く耳を持たない為、徳は客を乗せ船を出す事になった。
船を出したはいいものの、なにせ新米。船は揺れる揺れる。ついには同じところをぐるぐる回ったり、客の二人は不安でいっぱいになってしまう。。
苦労の末ようやく桟橋の近くまで来たものの船を着ける事が出来ない。。客の二人は、浅いからもう大丈夫だと客が友人を背負って上陸する事にした。
しかし上陸する二人に、徳はある頼み事をする・・・
「お客様、お上がりになったら船頭一人雇って下さい」
最後に
なんと言っても若旦那の間抜けさ。この演目の面白さは若旦那の描写にあります。あらすじでは省略しましたが、船を出してからの描写が非常に楽しいのです。これは演者によって描写が様々なので実際に色々聞いて欲しいと思って書かなかったのですが、人気の演目というのも頷ける面白さです。
サゲも色んなバリエーションがあるので、色んな噺家さんの「船徳」を聞いてみるのも楽しいと思いますよ。
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