上方落語と江戸落語って何が違うの?

上方落語と江戸落語、どちらも落語である事には違いはないのですが、歴史や細かいところで違いがあるんですよね。私は関東の人間ですが上方落語は聞かないなんて事はありませんし、どちらも聞きますが寄席で聞くとなると江戸落語が多いのは事実です。なかなか本場の関西に行く機会がないというのもありますが、映像で見るばっかりなので、来年こそは本場の上方落語も味わいに行こうと思っています。

上方落語と江戸落語は何が違うのでしょうか?

上方落語の特徴

大阪を中心とした関西で主に演じられている落語で、上方言葉を用いるのが特徴。現在では全国的に吉本の芸人さんもテレビで活躍しているので、関西弁に違和感もないですよね。なので落語初心者の方もその点では江戸落語も上方落語もすんなり聴けると思います。

大きな違いがあるとすれば、江戸落語の小道具といえば、扇子と手拭いですが、上方落語では見台と呼ばれる机のようなものを演者の前に置きます。そして小拍子。よく場面転換などで小さな木のようなものを、見台にカンカンと打ち付けて音を鳴らすのを見た事がある方も多いのではないでしょうか。
そして膝隠しの三点セットは上方落語の特徴と言ってもいいでしょう。

もちろん必ずしも使わないといけない訳でもなく演目によっては使わない事もありますし、噺家さんによっても使う使わないは自由のようです。

制度

これも江戸落語と上方落語では違いがあり、よく聞く「前座」「二つ目」「真打」という身分制度は江戸落語で使われているものになります。
上方落語はというと真打制度は大正時代に廃止され、その後復活の動きも何度かあったようですが、香盤が真打制度のような意味合いを持っており、芸歴5年以上で中座、15年以上で真打と同格となっているそうです。江戸落語での前座と言えば、まだまだ修行の身のようなイメージですが、上方落語では、前座は高座に上がる出番を意味する言葉として使われる事が多いようです。

落語を楽しむのに上方も江戸もそこまで意識する必要はない

話を聞いて大笑いして楽しむ。落語の魅力はそこに尽きます。
古典落語は上方落語から、江戸へ伝えられた話も多く。そのまた逆も然りです。同じ演目を演じる事も多いですし、同じ演目でも題名が違ったりストーリーが異なっていたり、それもまた落語の楽しさなのです。

関東だから江戸落語を聞く、関西だから上方落語を聞くという分け方は個人的に好きではないです。始めから変な先入観を持って見てしまうとせっかくの面白い落語も楽しめなくなってしまうからです。どちらも面白いですから。
落語初心者の方は、あまり気にせず色々聞いてほしいと思います。そして、古典落語と新作落語も分けられる事が多いですが(中には落語は古典落語、新作はだめだ)なんて言う人もいますが、今の古典落語も昔は新作。今の新作もいずれは受け継がれ古典落語になっていくものだと思います。
あまり変な先入観を持たずに色んな落語を楽しんでもらいたいと思います。