落語の魅力って何?なんて友人に聞かれる事があります。その度に私は頭の体操って答えています。
先日、ビートたけしさんが落語を披露されてましたね。これからは落語をやろうと「ボケ防止に」とおっしゃってました。私もおんなじ考えなんです。落語は演じる方も聞く方も頭使うんですよ。
全て頭の中で絵にしていく訳ですから。
落語を聞き始めは難しい言葉や言い回しで頭の中で想像するのが難しいかもしれませんが、慣れてくると頭の中で映像のように絵が広がっていつの間にか落語の世界に入っていけるようになりますからね。
寝床
元は「寝床浄瑠璃」という上方落語の演目が明治時代に東京に伝わり「寝床」となったと言われています。
この話に出てくる「義太夫」とは、江戸時代に始まった三味線を伴奏楽器として太夫が語る語り物と呼ばれる浄瑠璃の一種。重要無形文化財としても指定されています。
あらすじ
ある大家の旦那さんは、「義太夫」を披露するのが何よりの楽しみ。
この旦那は、自分の長屋の住人を集めては「義太夫」を定期的に披露していました。
自分の「義太夫」と豪華な料理に酒、さぞかし長屋の住人も喜んでいると思っている旦那さんですが、住人達はというと、その時間が苦痛でたまらないのです。何故なら旦那さんの「義太夫」はお世辞にも上手いと言えるようなものではなく、はっきり言って下手。
店の使用人も、旦那さんが「義太夫」を披露する日になると、ありとあらゆる理由をつけては、逃げようとするのです。もちろん住人も理由を付けて逃げる者、嘘を付いて逃げる者が出てきます。
ある日、旦那さんが皆を集めて「義太夫」を披露しようとすると、長屋の者達は忙しいと全員断るのです。店の使用人はというと全員が仮病を使って聞けないと言う。
これに腹を立てた旦那さんは、使用人は全員クビ。長屋の者達も全員出て行けと不貞寝してしまいます。
それは困ると焦った一同は「義太夫」を聞こうと話合うのです。
全員でおだて、なんとか機嫌を直した旦那は「義太夫」の準備を始めます。
しかし長屋の住人達はというと、酒に酔えば「下手な義太夫」も分からなくなるんじゃないか?と酒盛りを始めてしまうのです。
いざ旦那の「義太夫」が始まると、酒が回り始めた長屋の住人達は、全員居眠りを始めてしまう・・・
それに気づいた旦那は激怒。しかし、一人泣いている者がいた。丁稚(でっち)の定吉である。
旦那は嬉しくなり、どこに感動したのか根掘り葉掘り尋ねる。
「いや皆が寝てるのに、自分だけ寝れないので泣いているだけです」
「なんで寝れねぇんだ?」
「旦那が語っているところが私の寝床です」
最後に
この話もサゲがいくつか演者によって違うのですが、サゲの意味がすんなりと理解するのは、難しいかもしれませんね。私も最初はどうゆう事?ってなったのですが、考えているとはぁ〜なるほどと。これも落語の醍醐味ですね。私も分からない言葉が出ると検索したり大先輩に聞いたりしながら聞いています。。。
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