江戸・東京落語『協会』『流派』『団体』『派閥』に見える笑点の魅力

お茶の間で大人気の国民的長寿番組「笑点」

普段全く落語を聞かない人でも、一度は見た事がありますよね。日曜の夕方という事もあり、家族でテレビを見て楽しめる数少ない番組の一つです。

その笑点の名物コーナーといえば「大喜利」ですが、恐らく落語を普段聞かない方にとっては、落語家さんってみんな仲良くて面白いな~なんて思うと思うんです。

でも落語界の歴史を知っていくと「笑点」が何故こんなに国民から愛されて長寿番組になったのかも分かるような気がするんです。

笑点の人気 司会者は桂歌丸さんから春風亭昇太さんへ

2016.10.19

江戸・東京落語には4つの協会(団体)が存在する?

現在、東京では4つの落語団体が存在し、落語家さんはどこかの団体に所属して活動しています。

何故、そうなったのか?を書くには私のようなただの落語ファンには難しいのでここでは控えさせていただきますが、大御所達が集まると色々あるのでしょうね。

落語協会

4つの団体の中でも、最も規模の大きいのが「落語協会」ですね。

落語協会といえば古典というイメージもあるようですが、私の中ではどの団体だからどうっていうのもそこまで感じないんですけどね、、、皆さん面白いので。

所属している落語家
分かりやすいように、笑点メンバーだと林家木久扇林家たい平林家三平が、落語協会所属の落語家さんになります。

落語芸術協会

落語協会に次ぐ規模を誇るのが、落語芸術協会

所属している落語家
現在の会長は、笑点名誉司会者となった桂歌丸副会長は三遊亭小遊三、そして現在の笑点大喜利の司会者、春風亭昇太も落語芸術協会所属の落語家さんです。

そう聞くと、あっなるほど、亭号(噺家さんの苗字にあたるところ)で団体が分かれてるのか?と思う方もいるかと思いますが、そうではありません。その辺も色々あるんです。。。

円楽一門会

1978年の落語協会分裂騒動で、落語協会から脱退した6代目三遊亭圓生を中心に創設された落語三遊協会が始まり。

その後、圓生の死後、落語協会に復帰する弟子達もいる中、5代目三遊亭圓楽一門は復帰しなかった。それが現在の円楽一門会となっている。

所属している落語家
笑点メンバーだと、6代目三遊亭円楽三遊亭好楽が円楽一門会所属の落語家です。

落語立川流

ご存じカリスマ落語家と言われた立川談志が、落語協会を脱退して自ら家元となり創設。

所属している落語家
立川志らく、テレビでお馴染みの立川志の輔が立川流所属の落語家です。

家元は惜しくも2011年に亡くなってしまいましたが、新体制の元新たなスタートを切っています。

ちなみに現在は立川流は笑点とは距離を置いていますが、笑点の初代司会者は立川談志というのも驚きですよね。

協会(団体)と寄席の関係

東京には「浅草演芸ホール」「新宿末広亭」「池袋演芸場」「鈴本演芸場」の4つの寄席があります。

しかし、全ての落語家さんが、どの寄席でも出演出来るという訳でもないのです。

「浅草演芸ホール」「新宿末広亭」「池袋演芸場」の三か所は落語協会落語芸術協会所属の落語家さんが出演しています。

「鈴本演芸場」落語協会所属の落語家さんのみ出演しているのです。

円楽一門会、落語立川流は?

そうなんです。円楽一門会、立川流所属の落語家はこの4つの寄席に出演する事は出来ません。

ですから、ホールを借りて落語会を開いたり、テレビなどに活躍の場を広げたり、全国を回ったり様々な活動をしているのです。

私のような素人落語ファンからすれば、そんなにバチバチしてるのか。。。と寂しい気持ちにもなるんですが、落語の世界も色々あるんだなぁと感じますよね。

だからこそ笑点は癒される

笑点にも、色々な噂はあります。

しかし、純粋に見たら落語ファンとしてはこんなに嬉しい番組はないと思うんです。

協会(団体)の枠を超えて、違う協会に所属している落語家さんが並んで笑いあってる姿を見るだけでも私は幸せなのです。

普段何気なく見ている笑点も、少し落語界の歴史を知るとより面白いものになるのではないでしょうか。

落語名人 桂歌丸 笑点名司会者の凄さとは

2016.11.26