落語は上方落語と江戸落語と分けられていますが、同じ演目を披露する事もありますしどちらも落語ですので面白い事には変わりはないのですが、上方落語大きな特徴の一つとして関西弁で落語を演じるという事があります。
今でこそ関西の芸人さんなどの東京での活躍もあり、関西の方ではなくても関西弁に違和感はないと思います。
桂米朝さんは惜しくも2015年にお亡くなりになってしまいましたが、米朝さんの話す関西弁はどこか優しく上品で今でも耳に残っています。高座を拝見する事はもう出来なくなってしまいましたが、数々の名演はCD,DVDで残っていますので、是非一度聞いてみる事をおすすめします。
桂米朝
上方落語の第一人者とも言われ、上方落語復興の立役者でもある桂米朝さん。落語家として初めて文化勲章を受章した人物でもあり、落語界2人目の重要無形文化財保持者(人間国宝)でもあります。私は関東出身という事もあり最初は江戸落語をずっと聴いていたんです、桂米朝さんの落語を聴くまでは。もしかしたら桂米朝さんの落語に出会わなければ、上方落語がここまで身近な存在になってなかったでしょうし、今のように江戸落語、上方落語を気にする事なく聞く事もなかったかもしれません。
知性派の落語家さんと評された米朝さんは時代背景や登場人物まで徹底的に分析し、現代に合わないものはそぎ落とし今風の解釈で噺を構成していました。埋もれてしまっていた古典落語をいくつも復活させる事が出来たのも、元々は米朝さんは落語研究家を目指していた事もあるのかもしれませんね。
上方落語を身近なものに
落語や歌舞伎など伝統芸能と呼ばれるものは中々若い人は触れる機会がありません。敷居も高いですしね。寄席でいくら名演をしても若い世代には伝わらないですから。米朝さんは上方落語を背負いテレビにもラジオにもイベントにも積極的に活動されていました。その功績はあまりにも大きいものでしたね。普段落語を聴かない世代にも落語家の存在を知ってもらう事が落語界発展の為には重要な事なのですから。
現在では上方落語はもう身近な存在となってますよね。テレビで見る機会も多いですし、米朝さんの元に落語家を目指し集まった多くの方の活躍を見るとやはり米朝さんは偉大な方だったんだな。としみじみ思うのです。
上方落語そして江戸落語、呼び方は違えど私はどちらも落語として大いに楽しんでいます。今まで江戸落語しか聴いた事ないって方も一度上方落語も聴いて欲しいですね。米朝さんの落語は私には癒しです。話し方、優しい関西弁。一度聴いたらその素晴らしさに心打たれる事と思いますよ。