名作 新作落語「ぼやき酒屋」あらすじ 6代目桂文枝

六代 桂文枝さんと言えば、上方落語、新作落語を巧みに演じる関西の名人ですが、もしかしたら、落語をあまり聞かない方は、桂三枝さんと言った方が分かりやすいかもしれないですね。吉本興業の大御所でテレビ『新婚さんいらっしゃい』の司会としても長きに渡り活躍されているので、そちらの方が有名かも知れません。

しかし、落語の面白さは凄まじいですよ。新作落語に力を入れている桂文枝さんの落語を聞いた事のない方は是非とも聞いて頂きたいです。

テレビとは違う桂文枝さんの凄さを見る事が出来ますよ。

創作落語 「ぼやき酒屋」

ちなみに桂文枝さんは自分の作品を新作落語とは呼びません。創作落語と呼んでいます。自分の作品に相当のこだわりがあるのでしょう。

あまりにもレパートリーが多いので、何をご紹介するか迷ったのですが、今回は「ぼやき酒屋」にしました。また違う演目もご紹介するとは思いますが、パッと思いついたのがこの演目でしたので。しかしオススメしたい演目が多すぎる。。

あらすじ

ある寒い夜、一人の男が赤提灯に引き込まれるように居酒屋へと入って行く。
「いらっしゃい、何にします?」
『寒いね~いつもの一杯くれや』
「お客さんうちの店初めてだと思いますよ」なんて会話から物語は始まっていきます。

『それじゃ麦焼酎もらおうか』
「麦焼酎には何かいれますか?」
『そうだな現金でも入れといて』
「それは入らないです」
『ノリが悪いね~家では暗くなるから楽しく飲みたいだけなんだ。何かおススメのつまみはあるかい?』
「そうですね。今ですと、カツオのタタキやハモの湯引きなんかもおススメですよ」
『そうか、じゃあ今言った枝豆もらおうか』
「言ってないです」

『だからノリが悪い、意思の疎通が取れんなぁ。まぁ今の時代、家族の考えてる事も分からんからなぁ』
男の話だと、先日も風邪を引いたが、そんなのたいした熱じゃないと嫁さんは何もしてくれなかったと。しかし、飼っている猫が風邪を引いたらすぐさま病院に連れていくありさま。何を考えているのか。。男はぼやき続けます。

この世の中、とにかくストレスが溜まる。こうやって酒を飲んでるのもストレス発散なんだと男は言う。大将もストレスは溜めたらだめだよ。めんどくさい客とかいてストレス溜まるだろう。そんな時は酒でも飲んでストレス発散するべきだとアドバイスしますが・・・

最後に

関西の大御所というだけあって、登場人物の会話だけでも面白いですよね。マクラから流れるように本編に入っていき、そしてこの演目は毎回聞く度に違うんですよね。その時の話題だったり時代によってボヤキも変わっていくのも「ぼやき酒屋」の魅力のかなと思います。