名作 古典落語「千早振る ちはやふる」落語 あらすじ

滑稽話の中でも特に好きな演目なんですが、初めに聞いた時は頭の中がポカーンとなったのを今でも覚えています。それだけ、初心者には難しかったですね。

こうやって文面になると理解しやすいというのもありますが、理解するのには苦労しましたね。いつもはサゲ(落ち)までは書かないのですが、今回はサゲを書いています。サゲを聞いて大爆笑になるようなサゲなら伏せるのですが「千早振る」のサゲはどうゆう事だ?って悩むと思うので分かりやすいようにサゲまで書きました。

久しぶりに「千早振る」を聞いて文章として書いていたら、落語初心者の時に寄席に行って噺家さんがサゲを言って客席の大爆笑と拍手の中、高座から降りる時ポカーンとしていた頃を思い出しましたよ(笑)

古典落語 千早振る

隠居のところへ、あるおやじが訪ねて来た。どうも切羽詰まった様子なので隠居が理由を聞いてみると、娘が正月までに上達したいと友達を集めて百人一首をやっているという。そのうちの一枚を持ってきて意味を教えてくれと言われたがまったく意味が分からない。。煙草を買ってくると家を飛び出してきたが意味が分かるまで家に帰れないのだという。

知りたいのは在原の業平朝臣(なりひらあそん)の歌で『千早振る神代もきかず竜田川から紅に水くぐるとは』この歌の意味を知りたいのです。

「それは、うむ・・ちやはふる、というから、かみよも・・」
『もしかしてご隠居さんも知らないんでしょう??』

あらすじ

もちろん隠居も実は知らない。でも知らないとは口が裂けても言えない。しばらくブツブツと歌を呟いていたが、竜田川というのは知ってるか?とおやじに問いかけた。そんなの川だろとおやじは返すも。違う関取だ、相撲取りだよと隠居の苦し紛れの珍解釈が始まった。。

隠居の話だと、竜田川は田舎から出てきて一生懸命稽古した。女、酒、煙草を断って三年後には大関まで出世した。

ある日、竜田川は贔屓に吉原へ連れて行かれた。花魁道中があって三番目にやってきたのが千早太夫。
『千早太夫???千早とは花魁ですか?』

竜田川が惚れたというので贔屓が話してくれたが、千早は相撲取りは嫌だと振ったそうだ。。妹女郎の神代に聞くと、姉さんが嫌ならあたしも嫌ですと神代もきかない。振られた竜田川は落ち込んで、稽古もしなくなった。さらには酒も飲むようになったし博奕も打つようになってしまった。相撲も結果が出なくなりしまいに廃業して、故郷に帰り豆腐屋になったのだ。

月日は流れて、竜田川の店に女乞食がやってきておからを分けてほしいと言う。やろうとして驚いた竜田川。その女は千早の成れの果ての姿だったのだ。激怒した竜田川は千早を突き飛ばした。突き飛ばされた千早は相手が竜田川と知って井戸に飛び込んでしまったんだ。。。

『それで???』

「聞いてなかったのか?最初千早が振っただろ、だから『千早振る』、神代も聞かないから『神代も聞かず竜田川』、おからを分けてくれと言ったがくれないので『からくれないに』、井戸に飛び込んだから『水くぐる』だ」

『最後の『とは』ってのはなんだ??』

「よく調べたら、千早の本名だった」

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