名作 新作落語「バールのようなもの」あらすじ 立川志の輔

立川志の輔さんと言えばテレビ「ためしてガッテン」の司会者としてあまりにも有名ですが、もちろん本業は噺家さんです。

立川談志さんの一門というだけあってオリジナリティ溢れる古典落語も魅力ですが、立川志の輔さんは新作落語にも力を入れており、数多くの名作新作落語を生み出しておられます。

高座のチケットはいつも即完売、人気と実力を兼ね揃えた落語界のスーパースターですね。

新作落語「バールのようなもの」

タイトルから惹きつけられてしまいますよね。全くどんな話か想像もつきません。

「ようなもの」という言葉は、ニュースなどで度々出てくる言い回しですよね。例えば「自動販売機荒らしが起きました、犯人はバールのようなもので扉をこじ開け中から現金を奪って逃走した模様です」など、バールとは断言出来ないが、それに類似したものも分からない。そこで出るのが「バールのようなもの」ですね。

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あらすじ

今も昔も物知りな人っていますよね。今日もはっつぁんは、気になる事があり物知りのご隠居の元へやってきました。

ご隠居!良くニュースで聞く「バールのようなもの」ってのは何だい?バールでこじ開けたでいいじゃないか。
ご隠居は誰も見てないんだから「バールのようなもの」と言ってるんだと言います。
いくつかの問答を繰り返したのち、はっつぁんは「バールのようなもの」が必ずしもバールではないという事を覚えます。

そうか「女のような」は女じゃない。

「夢のような」は夢じゃない。

「ハワイのような」はハワイじゃないんだ。

納得したはっつぁんは、家路につきます。家に着くとカミさんが血相を変えて怒っています。
「あんた女のところに行ってきたね。私は全部知ってるんですから。行ってきたね?妾のところに!」

「何を言ってるんだ、ご隠居の所に気になった事があったから聞きに行ってたんだ」はっつぁんは弁解しますが、カミさんは全く取り合ってくれません。妾の所に行ってたんだ。いいや行ってない。押し問答が続きます。
これはキリがないとはっつぁんは「あれは妾じゃない。妾のようなものだ」と言い放ちます。

分かるか?「女のような」は女じゃない。「夢のような」は夢じゃない。「ハワイのような」はハワイじゃない。分かるなと言うとカミさんにぶん殴られてしまいます。

逃げるように家を出て、ご隠居の元へ向かうはっつぁんは・・・

最後に

この話は清水義範氏の短編小説を元に、立川志の輔さんが新作落語として世に送り出しました。
私は新作落語が大好きなので、新作落語がもっともっと多くの人に聞いてもらえるようになったら嬉しいなと思って古典落語だけではなく、新作落語もご紹介しています。

落語初心者の方はむしろ新作落語から聞くのも、すんな話の世界に入れるのでいいかもしれませんよ!

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