名作 古典落語「味噌蔵」落語 あらすじ

これまで、泥棒噺、廓噺、人情噺と様々な古典落語をご紹介してきましたが、本日は古典落語の中でも、純粋に笑えるお噺をご紹介。

主人公は名前の通り「ケチ」で有名な「ケチ兵衛」

落語の登場人物は個性的で面白い人間が多いですが、この「ケチ兵衛」も他の演目に登場するくらい、人気のキャラクターです。

古典落語 味噌蔵

この物語の主人公、ケチ兵衛は味噌屋を商売としている。

仕事はしっかりするのに未だ独身。しかしその理由がまた変わっているのだ。

嫁をもらうと今より余計に金が掛かる。。ましてや子供が出来たらさらに出費が・・・とケチもそこまでくると立派だ。

あらすじ

ある日、親戚一同が集まり、どうしても嫁をもらわないというのなら、世間に対してみっともないから今後の付き合いを断ると脅しを掛けた。

結局ケチ兵衛は、泣く泣く嫁をもらう事になった。食の細い女ならと注文を付けて。。。

散々、結婚には否定的だったケチ兵衛だったが、周囲の心配をよそに夫婦仲は円満。しばらくすると子宝にも恵まれた。

普通は大喜びとなるところだが、さすがケチ兵衛。。金が掛かるとうろたえる始末・・・

出産も近くなってきた頃、女房が、こちらは男手だけなので、里帰りして生むと言い出した。

これを聞いたケチ兵衛は、これは金が掛からなくていいと大喜び。。結局、女房は里に帰る事となった。

日が満ちて男の子が生まれたとの知らせがあり、ケチ兵衛は小僧の定吉を連れて、挨拶に行く事にしたのだが、番頭に「火の用心にはくれぐれも気をつけておくれ。近所から火事が出たら、味噌で目塗りするように。なに、焼けた味噌は香ばしい。剥がして皆に食わせれば無駄が無い」と言い残し、出て行った。

旦那のケチ兵衛が出かけてしまうと、奉公人達は好きなものをたらふく食べたいと番頭に訴える。

それもそのはず、今まで具のない味噌汁しか出なかったのだから。。。

番頭も、もちろんそのつもりで、帳面をドガチャカドガチャカ誤魔化す事になった。

番頭は皆の注文を聞くと、刺身から鰤の照り焼き、うな丼、卵焼きと出てくる出てくる、最後に横町の豆腐屋に田楽ありと書いてあったので、それも!と言う。

それらを全て注文し、田楽は冷めると美味しくないから、二、三丁ずつ焼けたら持ってきてもらう事にした。

飲んで食ってのどんちゃん騒ぎ。帰ってこない旦那の悪口を言いながら皆上機嫌である。

そんな時、、、まさかの旦那のお帰り。。。

なんでも忘れ物をしたとか。。。

奉公人達は驚いて、急いで片づけるも後の祭り。。旦那はカンカンに怒り狂っている。

「この入費は給金から差っ引くからな!」

奉公人達も一気に酔いが覚めてしまった。

そんな時。。。

「焼けてきましたよ~」と横丁の豆腐屋の声。旦那は火事だと思い、どんな感じだと尋ねる。

「二、三丁焼けてきました、後からどんどん焼けてまいります」

慌てて戸を開けるケチ兵衛。田楽の匂いがプーン。

『いけない!うちの味噌蔵に火が入った』

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