名作 古典落語「星野屋」 落語 あらすじ

古典落語でとっても人気のあるテーマといえば「女と男の騙しあい」

今回、ご紹介する「星野屋」も、登場人物は嘘ばかりつく壮絶な騙しあいのお噺。

以前ご紹介した「紙入れ」や「品川心中」、「三枚起請」といった噺も併せてお楽しみ下さい。

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古典落語 星野屋

星野屋の旦那は、水茶屋のお花という女に入れあげている。

そんなある日の事。お花のところへ、星野屋の旦那が50両の手切れ金を持ってやって来たのだ。

なんでも女房にお花に入れあげているのを嗅ぎつけられてしまったらしい。

「自分は婿養子、家では立場がない。だから醜態をさらす前に、潔く身投げしようと思う」と言うと。

『旦那が死んでしまったら私はもう生きてはいけない』と言い出した。

それでは一緒に死のうとあっという間に心中の話がまとまってしまったのだが。。。

あらすじ

八つの鐘が鳴る頃、迎えにくるからといい残し旦那は帰っていった。

旦那がいないと生きてはいけないなんて言ったはいいものの、実際は死にたくはないお花。

時間になり迎えに来た旦那と向かったのは、身投げの名所「吾妻橋」

星野屋の旦那は「先いくぞ!」といきおいよく飛び込んだ。

しかしお花はというと、まごまごして一向に動かない。。そんな時、川に浮かぶ屋根船から『さりとは狭いご料簡、死んで花実が咲くかいな』と中節の「小春」が聞こえてきた。

「死んで花実が、咲かないわよね。あの・・・旦那、あたし死ぬのよします。失礼します」

家に帰って一服しているお花。すると雨戸を叩く音が聞こえた。

戸を開けてみると、星野屋の旦那とお花の仲を取り持った重吉が血相を変えて立っていた。

何でも、びしょ濡れになった旦那の幽霊が重吉の家にやって来て『お花に殺されたから、これからあの女を取り殺す。そもそもお前が世話してくれた女だ。化けて出る時にはお前の家に寄る』と言ったというのだ。

旦那の幽霊が出ない方法はないだろうかと相談された重吉。

「それなら、髪を切って旦那の墓に収め、詫びるほかねえだろう」と教えた。

余程怖かったのか、お花は、次の間に入って髪をブッツリ切って戻ってきた。頭には手ぬぐいを巻いて。。。

「旦那!もう出て来てようござんすよ」の声とともに星野屋の旦那が現れた。

お花の本心が知りたいというので、重吉と仕組んだ芝居だったのだ。

「お前が飛び込んでも、下には舟が並んで船頭が待ってたんだ、助けられて星野屋の二度添いになれたというのに、馬鹿な奴だ」

「ざまあ見やがれ。てめえともこれで縁切りだな。坊主になって、当分表へも出られやしめえ。」と重吉はさらに追い打ちをかける。

泣いていたと思っていたお花だったが突然笑い出した。

「馬鹿馬鹿しい。大の男が三文芝居打ったりしてさ。。そんな毛が欲しいなら毎日取りに来たらいいさ。それはカモジだよ」

手ぬぐいを取ったお花の頭はフサフサ。。。

「なんてふてぇ女だ。まぁいい。昼間に旦那に50両貰ったろ、あれは贋金(にせがね)だ!それを使えば、贋金遣いで磔になるぜ」

それを聞いた母親は、驚き金の包みを差し出した。

金包みを手にした重吉。高らかに大笑い。

「旦那!金は取り返しましたぜ!旦那が贋金を使うか!これは本物だ!」

「なんて男だ。。どこまでも企んできやがって・・・お母さん、小判は本物だってさ。。」

『あたしもねぇ。まぁそんな事だと思ったから三枚抜いといたよ』

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