名作 古典落語「蔵前駕籠 くらまえかご」落語 あらすじ

「蔵前駕籠」は幕末の江戸を舞台にした古典落語。

世情は混乱を極めていた。明日がどうなるかも分からない。金を持っていても強盗が多発している世の中。

そうなると、男の考える事は皆同じ。吉原に行って楽しい事に使ってしまえ!と吉原は大繁盛したそうです。

今回はサゲ(落ち)まで書いています。ご覧の際はご注意下さいませ。

古典落語 蔵前駕籠

日本橋と吉原を結ぶ蔵前通りには、追いはぎが出没していた。

男どもが懐を膨らませ、吉原に向かう為に駕籠を飛ばすと、蔵前通りにはこれを狙った追いはぎが待ち構えているのである。

大勢の侍がずらっと待ち構えている中、吉原に行く者はいない。日が暮れると蔵前通りを通る者は誰もいなくなった。

あらすじ

ある日のこと「江戸勘」という駕籠屋に、若い男がやってきた。

吉原へ駕籠を頼むとの事だが、もう時刻は夕暮れ、さすがに親方は断ったのだが、男は引き下がらない。

「追いはぎが出れば駕籠をおっぽりだして逃げればいい。奴らだって駕籠を持っていくわけじゃあるめぇ。」

とにかく男は吉原に行きたいのだろう。駕籠賃は倍払うし酒手は一人に一分出すと言われたら、若いのが二人駕籠を出すと志願した。

よし!とばかりに客の男は準備を始めた。

着ているものは脱いでたたみ。紙入れや煙草入れは手拭いに挟んで着物の間に入れた。

駕籠の座布団の下にそれを隠すと、その上にフンドシ一つで胡坐をかいた。

「よし、出せ!」

夜の蔵前通り。案の定、追いはぎに囲まれてしまう。

若い衆は、怖くなって駕籠を投げ出して逃げてしまった。

『我々は徳川家にお味方する浪士の一隊。軍用金に事欠いておるのでその方に所望いたす』

刀の切っ先で駕籠のすだれをぐいと上げると、素っ裸の男が腕組みしている。

『うむ。。もう済んだか。。』

おすすめの演目

今回の「蔵前駕籠」は、今でも演じる方が多いですね。分かりやすい噺なのでお客さんもすんなり物語に入り込めるというのも人気の理由でしょう。

「蔵前駕籠」の舞台にもなった吉原。この吉原遊郭をメインに扱った古典落語にも名作は多く、私が古典落語でもっとも好きな「明烏」も吉原遊郭を舞台にした古典落語の一つです。

遊郭を舞台にした噺は、廓噺と言って私が大好きな古典落語です。以前、落語初心者の方でも分かりやすい廓噺の演目をまとめてみましたので、是非こちらもご覧下さい。

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