名作 古典落語「子別れ」落語 あらすじ

古典落語「子別れ」は初代春風亭柳枝の創作落語。人情噺の大ネタです。

最近は落語初心者の方でも分かりやすいように滑稽噺をご紹介する事が多かったので、久しぶりに人情噺をご紹介です。

ちなみに以前ご紹介した有名な古典落語の演目の一つ「子ほめ」とは名前は似てますが全く別の演目ですのでご注意を。

名作 古典落語「子ほめ」あらすじ

2016.12.03
この演目はサゲ(落ち)まで書いてあります。サゲを見たくない方はご注意下さい

古典落語 子別れ

この演目は上・中・下の三部作になっている長い噺ですが、全て通して演じられる事はあまりありません。

基本は中の後半部分から下まで演じるというのが一般的です。

「上」は、酒好きの熊五郎が、葬式の帰りに紙屑屋と出会って吉原に繰り込む別名「赤飯の女郎買い」

四日間も居続けをした熊が朝帰りをして言い訳をするが、女房も我慢の限界、子供を連れて家を出て行ってしまった。

一人になった熊は、吉原に通いお気に入りの女を家に連れて帰る。ところが、この女。飯を炊く事も出来ず、家では昼寝ばかり、起きたら酒。どうしようもない女だった。追い出そうと思っていたが、こんな貧乏なとこは嫌だと女の方から出て行ってしまった。

これに目が覚めた熊五郎。酒を断って真面目に働き始める。ここまでが「中」

あらすじ

お店の隠居の茶室を作る為、番頭さんと木場へ木を探しに行く熊五郎。たまにはおかみさんの事を思い出すだろうと聞かれて、女房の事は思い出さないけど子供の事は思い出しますね。と答える熊五郎。

あれから三年。子供の居場所も知らない熊五郎。年頃の子供を見るとふと亀坊の事を思い出していた。

「おい、熊。向こうから子供が三人駆けてくるが、亀坊じゃないか?」

番頭が気をきかせて距離を取ってくれたので、熊五郎は亀と久しぶりに話す事が出来た。話を聞くと、母親は着物の縫い仕事をしながら、亀を学校に通わせているという。

『母さんはいつもおとっつぁんの事話してるよ。お酒を飲んで魔が差したけれど、本当はいい人なんだって。おとっつぁんに未練があらぁ』

「生意気な事言いやがって。おとっつぁんも今は酒も断ったし、一人で稼いでいるんだぞ」

それなら、家に寄っていかないかと言われたが、熊五郎は小遣いを渡し、明日鰻を食べる約束をしてその日はわかれた。

家に帰った亀は、お金を持ってる事を知られてしまう。母親は盗んだものと勘違いし、白状させようとしたが言わないので金槌を取り出した。

「これはおとっつぁんと別れる時に、お前がこれを一緒に風呂敷に包んできたんだ。これでぶつのはおとっつぁんが仕置きするのと同じだよ。言わないと金槌で頭を叩くよ」

観念した亀は全部白状した。

おとっつぁんに貰ったと聞いた母親は驚いた。明日、鰻を食べに行くのももちろん行っておいでと許した。

しかし当日、気になった母親は鰻屋に来てしまう。母親に気づいた亀に呼ばれて三人で食事する事に。

結局二人は復縁する事になったのである。

「本当に、子供は夫婦のかすがいですね」しみじみ言うと亀坊が、

『道理で昨日、金槌で頭をぶつと言った』

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