名作 古典落語「厩火事 うまやかじ」落語 あらすじ

古典落語「厩火事」ちょっと聞きなれない言葉ですよね。別題で「厩焼けたり」と演じられる事もあるこの噺。

題名の「厩火事」ですが、「厩」とは馬小屋の事。厩の火事で馬よりも家来の身を案じた孔子の故事からきています。
古典落語ではお馴染みのぐうたら亭主としっかり者の女房の噺となっております。駄目亭主にうんざりしながらもしっかり支える女房。そんな女房を大事にしている亭主・・・とはならないところが落語の面白いところですね。

古典落語 厩火事

また夫婦喧嘩かい???

お崎さんの顔を見るなり、仲人はそう言った。三日もあけずにまた喧嘩。仲のいい時には出てこないのに、喧嘩の度に引き合いに出されたら、いくら仲人でも迷惑だよと。

「今日という今日はもう愛想が尽きました。旦那と別れようと思います。」お崎さんとしては、引き留めてくれるのではないか?愚痴を聞いてくれるのではないか?という期待があったのだが、仲人はあっさり。

『あぁそう。それがいいね。別れなさい』

あらすじ

お崎の本心はというと、亭主が一生添い遂げてくれるのか心配なのだという。

仲人は苦笑い。。長年連れ添ってるお崎さんに分からないものが、私に分かるはずがないでしょう。

でも、そんなに亭主の心が知りたいならいい方法があるわよ。と話始めた。

中国の孔子という偉い人は、郊外に住んでいたのでお役所には馬で通っていた。馬は二頭いたが、白い馬の方を溺愛していた。
ある日の事。乗り換えの黒馬に乗って出かけた留守に厩から火が出たので、家来は必死になって白馬を助けようとしたが、叶わず馬は焼け死んでしまったという。

戻った孔子に家来が謝るよりも先に「家来(みな)の者一同に怪我はなかったか?」と聞き無事だと知ると「それは良かった」と馬については一言も触れなかった。
ありがたいご主人様だ。この人には命を投げ打っても尽くさなければと、家来は大変感動したという。

この反対が麹町のお屋敷のさる旦那様。瀬戸物が大好きなこの旦那、ある日珍しい客が来たので瀬戸物を出して四方山(よもやま)話した。そして客が帰り、奥様が後片付けをしたのだが、二階から降りようとして足を滑らせ瀬戸物もろとも滑り落ちてしまった。

物音を聞いて駆け付けた旦那は、「鉢は大丈夫か?瀬戸物は壊れてないか?」瀬戸物が大丈夫だと分かると「あぁ良かった」と奥様の体については一言もない。

しばらくして奥様の姿が見えなくなり、仲人がやって来て、お宅では娘より瀬戸物が大事らしい。そんな不人情なところでは末が案じられるので離縁状をくれと言った。それ以来その旦那は嫁も貰えずいまだに独身だそうだ。

お崎の亭主も瀬戸物に凝っていると知った仲人は、目の前でそれを割ってしまえと言う。

不安に思いながらも、言われた通りにすると、旦那は「大丈夫か?体に怪我はないか?」と優しい言葉。

「お前さん、そんなにあたしの体が大事かい?」

『あたり前じゃないかお前が指でも怪我したら明日から遊んで酒が飲めねえ』

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