名作 古典落語「宮戸川」あらすじ (お花半七)

「宮戸川」とは隅田川の事で、江戸時代には隅田川の待乳山(山谷)辺から駒形あたりまでを宮戸川と呼んでいました。

そして演題でもある「宮戸川」はこの噺の後半部分に由来しているのですが、近年では前半だけで噺を終える事も多くなっており、その場合は演題が「お花半七」として演じられています。

この演目はサゲ(落ち)まで解説しています。サゲをご覧になりたくない方はご注意下さい

古典落語 宮戸川

小綱町の質屋も一人息子の半七は、堅物なのはいいが、最近将棋にハマりその日も友人宅で遅くまで将棋を指していて帰りが遅くなってしまった。

頑固な親父はもう堪忍袋の緒が切れたとばかりに怒鳴り散らし半七を勘当する。

それと同じ時間に隣でも同じような騒ぎが起きていた。絵がるたをやっていて締め出されたのは半七の幼馴染のお花だった。

あらすじ

半七はしかたがないので霊岸島の伯父の家に泊めてもらう事にしたのだが、お花も連れていってほしいと言う。半七は走りだしたが、走るのはお花の方が早く気が付いたら伯父の家の前。

戸を叩くと、出て来た伯父はお花を見て、ようやく色気づきやがってとニヤニヤしている。弁解する半七に、「いいから早く入れ、娘さんが入りにくいじゃねぇか」と無理やり二階にあげて「布団は一つしかないから一緒に仲良く寝ろよ」と言って部屋に戻って行った。

「半公のやつときたら女嫌いだなんて、言ってやがったが当てになんねぇなぁ」なんて下では爺さん婆さんが話している。

二階はどうなっているかというと「意地が悪いんじゃないんだ。伯父が早呑みこみだから断ったんだよ。あたしは起きてるから寝ていいよ」

『あたしが勝手に付いてきたんだから半ちゃん寝ていいよ』

なんて歯がゆいやりとりが続くので、伯父がじれて「寝ねぇのか?あがるぞ!」と言う。

背中合わせに寝ているのだが、それでも半七はお花を寄せ付けない。しだいに外は大雨になり、ガラガラと雷も鳴ってきた。だんだんと雷が近づいてきて近所に落雷した時『キャッ』とお花が半七にしがみついた。

思わず半七がお花の背中に手をやって引き寄せると、裾が乱れ雪のような白い脚がちらりと・・・ここで本が破れていて分らない。。。

とここまでが前半部分。今はここで噺を終える事が多いです。

後半部分

ちなみに後半はというと、二人は夫婦になっていて。ある日の事、お花が浅草にお参りに行ったきり行方不明になってしまう。

半七は懸命に探したが見つからない、あれよあれよと一年が過ぎた。。

そんな時、半七がたまたま乗った船の船頭に「昨年の夏に、浅草寺でふと見かけた女をさらい、なぶり者にした上、顔を見られたため、発覚を恐れ殺して、宮戸川へ放り込んだ」と告白される。

お花が半七を呼ぶ声がする。目を覚ます半七。この一年の話は半七が見てた夢だったのだ。

「夢は小僧の使いだ」とサゲる(夢は五臓の疲れということわざの地口落ち)

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