名作 古典落語「汲みたて」落語 あらすじ

本日は古典落語でもちょっといつもとは違う変わったお噺をご紹介します。

最近は「汲みたて」を演じる噺家さんは少ないようですね。少なくとも私は寄席などで聞いた事はありませんから。

面白い噺なので是非とも味付けを変えて現代の噺家さんにも演じてもらいたい一席です。

こちらの演目はサゲ(落ち)にふれています。ご覧の際はご注意下さいませ

古典落語 汲みたて

昔の人は芸事が大好きで、町にはあちこちに芸の稽古所があったそうです。芸を本気でやろうという者は男の師匠について習うものだが、お色気が目当ての連中は女の師匠のところに通う。

師匠が器量がいいと弟子達はうるさく、あいつには四度も稽古をつけたのに俺には二度しかつけてくれないなんて愚痴をもらす者も出てくるもので・・・

あらすじ

ある日の事、女の師匠のところに通う仲間の一人が稽古を辞めると言い出した。訳を聞くと、師匠に男が出来たので馬鹿らしくて通う気が無くなってしまったとの事。

相手はというと建具屋の半公だという。本当かどうか確かめようと住み込みで手伝いをしている与太郎に聞こうという事になり、与太郎に師匠のところに泊まりにくる男がいるだろう?と聞くと。それはあたしだ言う。

半公がくるだろうと問い詰めると、よく知ってるね。でもこないだ喧嘩してたよ。と与太郎は言った。

なんでも、半公が師匠の髪の毛をつかんで殴っていたので止めに入ったら腹を蹴飛ばされて目を回してしまったのだという。気が付くと喧嘩は終わっており仲直りの酒を交わしていた二人。

半公が与太郎お前は寝てろと言ったが、眠くないと答える与太郎。すると師匠が、半さんが癇癪をおこすといけないから寝ておくれと言うので、師匠の言う事には逆らう事は出来ない与太郎は眠る事にした。

夜中に目が覚めると、二人はまた喧嘩をしていたという。。

ところで、与太郎。今日は何でそんないい身装をしてるんだと聞くと、柳橋から舟に乗って夕涼みをする師匠と半公のお供だという。有象無象が行くと折角の夕涼みが台無しだから内緒にしとけって言われたと。
なんだよ有象無象ってのは俺たちの事か。。くそったれ。

それを聞いたら黙ってはいられない。向こうの舟のそばに舟を寄せ、ばか囃子をやって邪魔をしてやろうという事になった。向こうが三味線に合わせて端唄を始めると、こっちは太鼓と笛で大騒ぎし、舟を上手にやると着いていく。唄がだめなら気分を変えて都都逸を始めると再びばか囃子。
「お師匠さん見てごらん、有象無象だよ」
「てめぇじゃわからねぇ、半公を出せ」
「なんでぇ、半公を出せだと、出てやらぁ」
たちまち舟と舟の間で喧嘩になった。

「師匠とどうゆう仲になろうとも、てめえらによやかく言われる筋合いはねぇ。糞でも食らえ!」

「糞を食らうから持って来い!」

そんなやりとりをしていると、肥舟が入ってきて・・・

「汲みたてだが一杯あがるけぇ?」

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