名作 古典落語「もう半分」怪談噺 落語 あらすじ サゲ(落ち) 解説

梅雨明け夏も近づいてきたな~と感じる今日この頃。こんな暑い日には怪談でも聞いてヒヤッと涼むなんてのもいいものです。

私は稲川淳二さんの怪談が大好きでよく聞いているのですが、古典落語にも怪談噺はいくつもあるのをご存じでしょうか?

今回ご紹介する「もう半分」は怪談落語の中でも変わり種で、とにかく陰気でゾゾっとするお噺となっています。こんな暑い日には爆笑とは離れてこういった落語もいいもんですよ。

今回の「もう半分」はサゲ(落ち)に触れています。ご覧の際はご注意下さいませ。

もう半分

舞台は東京、隅田川にかかる永代橋の近くにある小さな居酒屋。

ある日の事。その店に白髪の60を過ぎたと思われる老人がやってきた。

「半分いただかしてもらいたいんだが」

その老人は、何故か一度に一合の酒は頼まず、半分の五勺だけの酒を注文する。

そしてそれを飲み干すと、また「もう半分」と言って五勺の酒を注がせる。

店主が訳を尋ねると、、、

「酒飲みってのは卑しいもんで、三杯が半分だと倍の六杯飲めるような気がして得をした気持ちになるんです。では、もう半分」

あらすじ

もう半分、もう半分と酒を飲んでいた老人は、相当酔いが回ってきたようで、足もふらつきながら店を出て行った。

お客も帰り掃除を始める亭主だったが、さっきの老人大きな風呂敷を忘れているのに気がついた。中を見ると50両もの大金。。慌てて後を追おうとする亭主だったが、女房のそんな馬鹿正直だから貧乏なんだよ、戻ってきても無いって言えばいいんだよと悪魔の囁き。

慌てて戻って来た老人、その金は商売を始める元手にと娘が吉原に身を売って作ってくれた金なんだと泣きながら訴えるも、亭主は知らぬ存ぜぬの態度。

もう閉店だよと老人を追い出してしまった。

「祟らずにおくものか・・・!」

亭主が心配になり後をつけるも、その老人は永代橋から身を投げてしまった。。。

その後、、、夫婦は新しい店を出し店は繁盛、さらには女房が子供を身ごもり夫婦は幸せの絶頂にいた。

ところが、月満ちて生まれてきたのは白髪で歯も半ば抜けかけた、あの老人そっくりの子だったのだ。。。

女房はショックで寝込みそのまま死んでしまう。

旦那は子供を育てる事がせめてもの供養になるだろうと乳母(うば)を雇うのだが、皆、数日で辞めてしまう。物事に動じず強気と評判乳母を雇っても一晩で辞めたいと言うのだ。

金はいくらでも出すからいてくれと言っても、辞めると言う。理由を聞いてみると、旦那様は知らないのですね。ではご自分の目で見て下さいと言う。

その晩。旦那は乳母と赤ん坊が眠る部屋の隣で隠れて様子を見ていた。

すると深夜、赤ん坊が蒲団から出て行灯(あんどん)に這いよると、油差しから茶碗に油を注いでうまそうに飲みほした。

旦那は飛び込んで「おのれ爺め!迷ったか!」と叫ぶと、、、

赤ん坊が茶碗を突き出して「もう半分」

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