名作 古典落語「天狗裁き」あらすじ

大人になって夢ってあまり見なくなってきたなぁと思う今日この頃。本日ご紹介する演目は「夢」がテーマのお噺。
夢って起きるとほとんど覚えてないって言いますよね。実際はいくつも夢を見てるのかもしれませんが、ハッキリ覚えている夢なんて久しく見てないかもしれません。

古典落語 天狗裁き

上方落語の演目が東京に持ってこられた古典落語「天狗裁き」上方では三代目桂米朝、東京では五代目古今亭志ん生が得意としていた演目として有名ですね。
意外にも天狗にまつわる落語は珍しく、上方落語、江戸落語での演出の違いも楽しめる魅力的なお噺です。
「天狗伝説」と日常の一コマ「夢」一体どんなお噺なのでしょうか。

あらすじ

長屋に住む熊さんは今日も女房に嫌味を言われている。なんでも、近所にすんでいる又さんは百足の夢を見たら、客足がついて今や奉公人も使って立派になっているから、おまえさん儲かる夢でも見たらいいと言う。
夢を見ろと言われても、そんな簡単に見れるもんじゃない。そんな事を言っていた熊さんだったが次第に眠くなり、うとうと眠ってしまった。

しばらくすると、にやにや笑いだしたので夢でも見てるんだろうと、女房が尋ねると夢なんか見やしねぇと言い張る熊さん。夢を見た見ねぇで夫婦は大喧嘩をしているところに、長屋の辰っさんがやってきた。事情を聞いた辰っさんも夢の内容が気になり、兄弟分の俺には話せるだろうと夢の内容を尋ねるが、熊さんは見てねぇの一点張り。

今度は大家がやってきた。事情を聞くと、大家も夢の事が気になってしまった。大家というのは親も同然だ、親子で隠し事はいけねぇ。誰にも言わないから話してみな。大家も問いかけるが、熊さんは、大家さんだろうがお奉行様だろうが見てねえものは喋れねぇよと突っぱねる。

頭にきた大家は、願書をしたためお白州へ。。。

訴えを聞いた奉行も夢の事を聞きたくてしょうがなくなってしまった。
「お主は、女房にも兄弟分にも大家にも夢を話さないとの事だが、奉行には話せるな?」

『たとえお奉行様でも、見てないものは話せません』

「お主、奉行が怖くないのか」

『世の中で怖いのはお奉行様です。しかしもっと怖いのは天狗様です』

「よし、では天狗に裁かせよう」

熊さんは山の上に連れていかれ、高手小手に縛られ大きな杉の木に縛り付けられた。そこに現れた天狗は、事情を聞くと夢の事を話さねばこの羽団扇で体を木端微塵にしてやると熊さんを脅す。
さすがの熊さんもそれには参った。そして言う変わりにその羽団扇を貸してくれと一計を目論む。
羽団扇を持った熊さんは大きく扇ぎ空高く舞い上がって逃げ出す事に成功した。

しばらく空を舞いようやく熊が降り立ったところは大邸宅の庭。なんか様子が変なので尋ねてみると、なんでも一人娘が大病を患っているとの事。熊さんは天狗からくすねた羽団扇を使い医者に成りすまし、娘の身体を羽団扇で扇ぐとたちまち病気は治ってしまった。
大喜びする両親に是非、婿にとせがまれ話はトントン拍子に。

婚礼も済み、眠りにつく熊さん。

「ちょっと、あんた!起きなよ!」

「えっ、、なんだ夢か・・・」

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