名作 古典落語「へっつい幽霊」あらすじ

今回はちょっと今までご紹介した演目とガラッと色を変えて、博奕(ばくち)をテーマにした演目を一席ご紹介致します。

博奕?題名からは怖い話じゃないの?と思うかもしれませんが、そこは落語。面白く笑える話ですのでご安心を。それにしても、博奕はこんな昔からあったんですね~。

へっつい幽霊

この演目も元を辿ると上方落語から大正時代に東京へ伝えられたと言われています。上方落語では「かまど幽霊」という演目で演じられていたお話ですが噺を聞くと分かるとは思いますが『へっつい』とはかまどの事です。
「かまど」と「幽霊」?そして「博奕」?いったいどんな演目か想像つきませんよね。

あらすじ

道具屋からへっつい(かまど)を買った男が、深夜に道具屋を訪ねて来た。「このへっついを引き取って欲しい」
しょうがないので、1両50銭で引き取る事にした。そしてまた3両の値を付け店に置くとすぐさま売れてしまう。
しかし、また深夜に引き取って欲しいと訪ねてくる。これは儲かるへっついだと道具屋夫婦は喜んでいたが、これが一か月も続くと何だか気味が悪い。
夫婦は引き取って欲しいという客に、理由を尋ねると、夜中になるとへっついの角から幽霊が出てきて「金を出せ」と言うとの事。そのうちに、幽霊の出る道具屋との評判がたち客足は遠のき全く品物が売れなくなってしまった。

これはまずいと夫婦は、1両付けるから度胸のある人に引き取ってもらおうと考えます。その話を聞きつけたのが遊び人の熊さん。幽霊なんぞ怖くもないと、同じ長屋の住人で生薬屋を勘当された徳さんを巻き込み、へっついを徳さんの長屋まで運び込む事にしました。

二人で担いで帰る途中、徳さんがつまずきへっついを落としてしまった。すると欠けた部分から紙包みが出てきて中にはなんと!300両!
大喜びで大金を山分けした二人。そして徳さんは吉原へ。。熊さんは博奕場へそれぞれ向かうのであった。。

しかし、あっという間に二人は一文無しに・・・

しかたがないから寝るしかない二人だが、真夜中に徳さんが悲鳴を上げたので、熊さんが駆け付けると幽霊が出たとの事。
幽霊の話を聞くと、博奕好きの左官の長五郎といい、ある日博奕で大儲けをしたところ、それを知った仲間達がおごれや、金を貸せだのうるさいもんだから300両をへっついの角に隠し、安心してフグを食べたらあたって死んでしまったという。

金を出してもらおうと出てきても、みんな怖がって話すら出来なかったが、二人のおかげで金は出てきたが使ってしまったのなら金を返して欲しいと幽霊は言う。
明日の晩にはなんとかすると約束をし、徳さんは母親に200両工面してもらい渡そうとするが、熊さんは全額渡す気にはならなかった。
博奕好きの二人は100両づつ分け合い博奕で勝負しようという事に。。

幽霊と熊さんは丁半博奕をするのだが熊さんの連戦連勝。

「親方もう一丁お願いします」幽霊が懇願するも、、、「てめぇにはもう金がないじゃないか」

「いえ。あっしも幽霊。決して足は出しません。」

最後に

幽霊と人間の博奕対決。現実ではありえないですが、これも落語の面白い所ですね。
王道のサゲがあるものの、噺家さんによってはサゲを変えている噺家さんもいるので、またそこも面白い演目ですね。

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