名作 古典落語「百年目」あらすじ

元は上方落語の演目でのちに東京に移されたいう説のある演目「百年目」。演じるのが非常に難しいとされる演目で、名人といえどもしくじる事もあるほどの難しさだそうです。

大店を仕切っている仕事人間で融通がきかない堅物の番頭が主人公ですが、そんな堅物で通ってる人ほど裏の顔がありますからね。。。

古典落語 百年目

タイトルの百年目ってどうゆう意味?と思う人もいるでしょう。基本的に私はサゲまで書く事はしませんし解説もしないのですが(サゲの意味を考えるのも落語の楽しみだと教わったので)
この演目を聞いたら百年目って何ってなると思うので、今回は補足説明を入れます。
時代劇を見た事ある人は聞いた事あるんじゃないでしょうか?『ここで会ったが百年目』というセリフ。

百年目には「おしまいの時」「運のつき」のような意味合いがあるのです。ですから『ここで会ったが百年目』には、「ここで拙者に会うとは貴様の運も尽きたようだな。観念しろ」という意味になる訳です。

落語を聴いてて、これどうゆう意味だろうって考えたりするのも落語の楽しみ方の一つだと思います。すぐ答えを求めない事。色んな解釈が出来るのも落語の良さですから。

あらすじ

ある大店の堅物の番頭。今日も散々奉公人をりつけると、お得意さんまわりをしてくると言って店を出て行った。この番頭、お店では堅物で通っているが実はかなりの遊び人。

店を出ると、豪華な着物に着替え芸者衆の待つ屋形船へと向かって行ったのである。。

船の中では飲めや歌えのドンちゃん騒ぎ。酔いも深くなったところで一同は船を土手に着け、満開の桜を見ながら散歩でもしようという事になった。しかし、土手に上がると、酔っぱらっている番頭は鬼ごっこの鬼のように目隠しをして芸者を追いかけまわして遊んでいる。。

目隠しをした番頭は、あっちへふらふらこっちへふらふら、ようやく捕まえた番頭が目隠しを取ると、捕まえたのは大旦那だった。。

偶然にも大旦那は土手まで花見に来ていたのだったのです。

「旦那様、ご機嫌よろしゅうございます。お久しぶりでございます。ご無沙汰をして申し訳ございません」
番頭はあまりの事にその場に座り込んでしまった。

『番頭さん。そんなところに座ったら着物が汚れますよ。ずいぶんと酔っているようだから皆さん怪我の無いよう遊ばせて下さいね。あまり遅くならないように帰してくだされよ』とその場の空気を壊さないように言い残し大旦那は去って行った。

完全に酔いが醒めた番頭は、店に戻ると体調が悪いと言って二階に上がって寝てしまった。

翌朝、呼び出しを受けた番頭は、来年には店を持たせるのでもう少し辛抱してなさい言われ、ただただ頭を下げるばかり。

『ところで番頭、昨日、お久しぶりでございますと言っていたが、あれはどうゆう事だい?』

「顔を見られてしもた。これが百年目と思いました」

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